ホンダが「新型SUV」を24年に投入! 次世代システム搭載の新型「FCEV」 さらに水素事業を拡大へ

ホンダは「水素事業の取り組みについて」の説明会をおこない、そこでは2024年に投入される次世代燃料電池システム搭載の「新型SUV」に関しても明言されました。

ホンダが次世代燃料電池システム搭載の「新型SUV」を2024年に投入

 2023年2月2日にホンダは「水素事業の取り組みについて」の説明会をおこない、そこでは2024年に投入される次世代燃料電池システム搭載の「新型SUV」に関しても明言されました。

ホンダが次世代燃料電池システム搭載の「新型SUV」を2024年に投入
ホンダが次世代燃料電池システム搭載の「新型SUV」を2024年に投入

 ホンダは、「カーボンニュートラル社会に向けた、Hondaの水素活用拡大の取り組み」について、2050年にHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラル実現を目指すとしています。

 これは製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロの実現に向けて「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つを柱に取り組んでいます。

 そのなかで水素を、電気とともに有望なエネルギーキャリアとして位置づけているといいます。

 水素の循環サイクルは、再生可能エネルギーを起点とする「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」で構成されます。

 再生可能エネルギー由来の電気は、水電解技術により「グリーン水素」に変換されることで、季節性や天候による発電量の変動を受けにくくするとともに、陸上/海上輸送・パイプラインにより需要地へ適した方法での運搬が可能です。

 この水素事業についてホンダは「今後、コア技術である燃料電池システムの搭載・適用先を、自社のFCEVだけでなく、社内外のさまざまなアプリケーションに拡大していくことで、水素を『つかう』領域で、社会のカーボンニュートラル化を促進し、水素需要の喚起に貢献していきます」と説明しています。

 またホンダは、30年以上にわたり水素技術やFCEVの研究・開発に取り組んできました。

 さらに2013年からは、ゼネラルモーターズ(GM)と次世代燃料電池システムの共同開発に取り組んでいます。

 その一環としてGMとの共同開発による次世代燃料電池システムを搭載したFCEVを2024年に北米と日本で発売します。

 このFCEVは2022年に北米で発売した新型「CR-V」をベースに、次世代燃料電池システムを搭載。

 燃料補給時間の短い長距離走行が可能なFCEVの特徴に加え、家庭で充電できるEVの利便性を実現するプラグイン機能を搭載した新型モデルとなります。

 なお、新たに搭載される次世代燃料電池システムは、電極への革新材料の適用やセルシール構造の進化、補機の簡素化、生産性の向上などを図ることで、燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL」に搭載していた燃料電池システムに対してコストを3分の1。

 また耐食材料の適用や劣化抑制制御により、耐久性を2倍に向上させるとともに、耐低温性も大幅に向上させました。

 さらに燃料電池の本格普及が見込まれる2030年頃に向けて、さらにコストの半減と2倍の耐久性を目標値として設定し、従来のディーゼルエンジンと同等の使い勝手やトータルコストの実現を目指して要素研究を開始しているといいます。

 そのほか日本において、いすゞとの共同研究による「燃料電池大型トラック」のモニター車を使った公道での実証実験を2023年度中に開始予定です。

 水素は、エネルギーを高密度で貯蔵・運搬することができ、短時間で充填可能という特徴を持っています。

 そのため燃料電池システムは、バッテリーでは対応が困難とされる稼働率の高い大型モビリティや大型インフラの電源、短時間でエネルギー充填が必要なモビリティにおいて、とくに高い有用性が見込まれ、複数基の燃料電池システムを並列接続することで高出力化が可能となります。

※ ※ ※

 このようにホンダの水素事業の参入初期は自社のFCEVに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つを主な適用領域として設定し、ユーザーに向けた事業開発を進めてきました。

 しかし燃料電池システムの普及拡大には、水素供給を含めた水素エコシステムの形成が重要です。

 今後ホンダは、新たな領域として、定置電源を中心に、水素の需要があるところを起点とした水素エコシステムの形成や、政府や地方自治体が主催する港湾などでの大量輸入水素を活用したプロジェクトなどにも積極的に参画し、関連する企業各社とのパートナーシップの構築を図っていくとしています。

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