ホンダ新型SUV「プロローグ」もうすぐ詳細公開! 「Honda」強調ロゴ採用の大きめボディは“VR空間”で生まれた? ホンダの新“設計プロセス”とは

ホンダの北米法人は12月13日、同社が開発する新型「プロローグ」や新型「パイロット」など、最新の車種を高度な仮想現実(VR)技術を活用して開発していると公表しました。どのような技術なのでしょうか。

VR技術を用いたホンダの車両開発

 ホンダの北米法人は12月13日、同社が開発するSUVタイプの新型EV「プロローグ」や大型SUVの「パイロット」など、最新のクルマたちを、高度な仮想現実(以下VR)技術を活用して開発していると公表しました。

VR空間で開発された新型SUV「プロローグ」
VR空間で開発された新型SUV「プロローグ」

 2022年11月7日に公開された、ホンダのSUV史上でもっとも大きくパワフルであるという全長5mを超える3列SUVの「パイロット」。

 2022年10月6日に公開された、米ゼネラルモーターズ(GM)の「アルティウム」バッテリーを採用し2024年に発売を予定している新型EV「プロローグ」。

 このような、最新の新型車両の開発に、ホンダは、高度なVR技術を活用したといいます。

 新型コロナ感染拡大最盛期には、行動制限により、ホンダのデザイナーがエンジニアと協力して新型プロローグのデザインをおこなうことが困難でした。

 そこで新型プロローグのデザインを担当する「Honda Design Studio」のスタイリングチームは、グローバルなデザインチームと開発チームの間の溝を埋めるためにVRの使用を加速させました。

 コンピューター支援の設計モデルにより、設計チームは即座にフィードバックを受け取り、新型プロローグに関連するクレイモデリングや色、素材、仕上げに改良を加えることができました。

 その結果、新型プロローグのデザイン開発は順調に進んだだけでなく、リアルタイムのコミュニケーションによってチームの能力と今後のVRデザインの役割を向上させることができました。

 VRテクノロジー部門リーダーのマシュー ゲスリン氏はこれについて以下のように述べています。

「設計プロセスに仮想現実と拡張現実を組み込むことで、ホンダのエンジニアとデザイナーは、デジタルコンテンツと物理的資産を統合、没入型環境で経験し、触れているものとして対話をすることができました。

 新型プロローグでは、検証ツールとしてクレイモデリングを使用して、データ主導の設計プロセスでVRを使用するための鍵になりました。この開発プロセスは、他のホンダ製品の開発に引き継がれます。」

 新型プロローグでは、実物大のクレイモデルも使用して細部を改良するという従来のデザインプロセスも採用しましたが、インテリアデザインは主にVRおよびARでおこなわれました。インテリアデザインの場合、これらの仮想手法はデザインプロセスを変革し、無制限に色と材料のバリエーションの視覚化を可能にし、チーム間の連携を改善し、より迅速なフィードバックを可能にしました。

 インテリアデザインプロジェクトリーダーのリサ リー氏は、次のように述べています。

「VRを開発プロセスのツールとして使用する可能性は、6年前にホンダの設計チームが、より優れた製品を作成するための新しく、より効率的な手段を見つける取り組みの一環として、技術を調査、テスト、検証することから始まりました。

 この事前作業により、新型コロナ感染拡大時に、チームは適切なスキル、設備、および芸術的能力を持つことができました。

 新型パイロットは、LAを拠点とするチームが製品評価にVRを使用した最初の生産モデルでした。

 実施された多くのテストの1つに、VR環境下での色評価が含まれていました。これは、色、素材、仕上げのチームがすべてのトリムを全体的に視覚化して、LAと日本のデザインスタジオ間で即座にフィードバックできるようにするのに役立ちました」

※ ※ ※

 前述のマシュー氏は以下のようにもコメントしています。

「ホンダのデザインに対する感情や人間味を失いたくないので、純粋にデジタルのアプローチを追求するつもりはありませんが、VR技術を活用して将来顧客に提供されるホンダ製品に本当に興奮しています。

 これは、製品の魅力と品質をさらに高める相互協力のために、世界中の開発センターで VRとARの技術的能力をさらに探求する継続的な取り組みになります」

 今回話題に上がった、新型プロローグの詳細については、今後数か月以内にリリースされる予定、新型パイロットは今月発売されました。

 今後もホンダはVR技術を用いた開発をおこなっていくようで、今後ホンダからリリースされるクルマに注目です。

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