東名高速が突然「ぱっくり分裂」! なぜ道路の真ん中を工事? 東京料金所付近で進む長~い工事の正体とは

東名高速の上り線を走っていると、車線が2+1車線に分裂する区間があります。ここでは何が行われているのでしょうか。

2+1車線に分裂

 東名高速を東京方面へ走っていると、途中で2車線と1車線に分かれる区間があります。

 場所は、上り線の東名川崎ICから東京ICにかけての東名多摩川橋です。途中の東京料金所を出て数分走ると、まもなく車線が分かれる区間に差し掛かります。片側3車線が、走行車線2車線と追越車線1車線の二つの流れに分かれるのです。この橋で何が行われているのでしょうか。

東名多摩川橋で進む工事(画像:NEXCO中日本)
東名多摩川橋で進む工事(画像:NEXCO中日本)

「東京方面に走行していると『この先工事のため左右ルートに分かれる』というような標識が出てきます。

 しばらくすると、真ん中のスペースを避けるように左右ルートに分かれますが、右側(中央分離帯側)を走行すると道路の継ぎ目のような金属面が走行レーンに沿って存在します。

 晴天時や昼間であれば問題ないですが、雨天時や夜の場合は突然ハンドルが持っていかれることに加えて壁にぶつかるのではないかとヒヤヒヤします」

 2022年12月の平日昼間、東京ICに向けて実際にここを通った30代・男性はこう話していますが、車線の分裂は多摩川橋の改修工事に伴うものです。

 東京都世田谷区から川崎市多摩区に架かる長さ495mの東名多摩川橋は、1968年4月の開通から日本の大動脈の一部として機能してきましたが、大型車の通行も多く、また50年以上が経過していることから老朽化が進んでいます。

 NEXCO中日本東京支社によると、床版下面のコンクリート剥離や、それに伴う内部鉄筋の露出・腐食などが確認されており、床版取替などの抜本的な対策が必要といいます。

 リニューアル工事は2021年11月から始まっており、上下6車線を維持しながら、橋の西側(上り線側)から東側(下り線側)に向かって床版の取り換え工事を段階的に進めています。

 工事箇所はこれまで上り線側の路肩や第一走行車線の部分でしたが、2022年7月から上り線の第二走行車線から中央分離帯にかけての第2段階(STEP2)に移行。

 これに合わせて上り線は、工事スペースを確保するため流れが2分割されています。

 平日朝5時から19時までと土休日は3車線が2+1車線に、平日19時から翌朝5時までは2車線に減らされたうえで1+1車線に分けて、その車線に挟まれたスペースで工事が進められています。

 第2段階の期間は2023年2月中旬までの予定です。

 平日夜間の車線規制時は、平均3km程度、最大時は7月の金曜夜に12km程度の渋滞が予測されています。

 NEXCO中日本は工事期間中、圏央道や中央道、首都高K7横浜北西線などへの迂回を呼び掛けています。

 また、ETC車を対象に、厚木IC以西から乗って、圏央道や中央道経由で高井戸ICに降りた場合、東京ICで降りた場合と同じになるよう料金が調整されます(諸条件あり)。

※ ※ ※

 東名多摩川橋のリニューアル工事は、第2段階のあとも床版の取り換えが少しずつ進められます。工事は第6段階が終わる2024年10月まで続く計画です。

 ちなみに多摩川橋からもう少し進んだ先では、今度は外環道と接続するJCTの工事も進められています。

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