トラック・バスの後退時警報「ピーピー音」新たな音に変更か? 2023年1月以降導入を検討 どんな音色になる?

トラックやバスが後退するときに発する「ピーピーピー」という音が変更される可能性があるようです。新しい音は国連規則として導入が検討されており、日本以外の国でも採用されることになります。

後退時警報音変更のきっかけは騒音苦情

 トラックやバスが後退するとき、「ピーピーピー」という警報音が鳴ることがあります。

 この音が2023年以降、日本を含めて国際的に「新しい音」が採用される可能性が高まったというのです。いったい、どういうことなのでしょうか。

トラック後退時の警報音が変更される可能性がある
トラック後退時の警報音が変更される可能性がある

 トラック・バスの後退時警報装置の起源は、現在はバックアラーム(後退時警報装置)のほか、イグニッションパーツやスイッチ類など自動車関連部品の製造メーカーである、山口電機工業(東京都世田谷区)が世界に先駆けて製造販売した商品だといわれています。

 ただし日本では、トラック・バスの後退時警報装置の装着は法的には義務化されていません。

 それでも、新車時に装着されていたり、また後付け商品としてトラックやバスの事業者が後退時警報装置を独自に購入して装着している状況です。

 あるアンケート調査では、こうした事業者の半数以上が、周辺住民などから警報音がうるさいとか気になるといった苦情を受けた経験があるとのことです。

 そうした騒音苦情に配慮し、後退時警報をドライバーの操作によって一時的に停止させたことで悲しい事故も起きています。

 2015年、徳島県徳島市で後退時警報を一時停止した状態で接近してきたトラックと視覚障害者が接触し、一緒にいた盲導犬とともに尊い命を落としました。この事故の報道によって、多くの人が後退時警報の重要性を改めて知ったのだと思います。

 トラック・バスの後退時警報についての国際的な議論の発端は、トルコの提案でした。

 日本を含めた国や地域が自動車技術の基準に関して話し合う、国連(国際連合)の自動車基準調和フォーラム(WP29)の2016年3月におこなわれた第168回会議で、トルコが国内でのトラック後退時の事故増加にともない、後退時警報の国連規則が必要だと提案したのです。

 このWP29は、国連の欧州経済委員会に紐づく会議で、最近では自動運転技術や高度な運転者支援システム(ADAS)に関する議論が深まっているところです。

 トルコの提案に次いで、ドイツがWP29に属する騒音・タイヤ専門会議(GRB:現在のGRBPの前身)で2016年9月、ドイツ国内で後退時警報に対する騒音苦情が多いので国連規則が必要だという提案もありました。

 そこで、2017年2月開催の第65回GRBで、日本とドイツからトラック後退時警報の新規則に関する初期案を提示。これを受けて、さらに議論を深めるためのタスクフォース(会議)を設置するに至りました。その議長は日本から、また副議長をトルコが務めました。

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