国内シェア2位から5位転落 それでも「日産」に復活の兆し!? 成長のカギは「新型セレナ」と「EV」にアリ
かつてはトヨタに次ぐ2位のポジションにあった日産も、近年は5位に留まります。そんななかで、新型車の投入が続いたことで、復活の兆しもみえてきたといいます。
リーマンショックを境に「負のスパイラル」に陥った日産
国内の販売台数を振り返ると、1962(昭和37)年までは日産が販売1位のメーカーでした。その後トヨタに1位を譲りますが、長らく2位の座は守りました。
しかし今では、国内5位に転落してしまっている状況です。日産で何が起きているのでしょうか。そして打開策はあるのでしょうか。
1990年代の後半、日産は業績が悪化しましたが、2000年代に入ると「ティーダ」、2代目「キューブ」、3代目「マーチ」などが堅調に売られシェアを維持し、2位のポジションをキープします。
ところが2008年以降、状況が変わりました。リーマンショックによる経済状況の悪化で、新型車の投入が滞ったからです。
この時代には、どのメーカーも苦戦して商品開発が影響を受けましたが、日産は極端でした。
国内で発売される新型車が1年に1車種程度に減り、2015年と2018年は、新規投入やフルモデルチェンジがおこなわれていません。
新型車の発売が滞ると、販売実績に甚大な悪影響が生じます。設計の古い車種が増えて、話題性も乏しくなるからです。
クルマを買おうとする時に「日産」の社名が思い浮かばないと、購入の候補に入れてもらえません。
逆に新型車が登場すると、波及効果も狙えます。例えばコンパクトカーの「マーチ」がフルモデルチェンジをおこなうと、これを目当てに来店した顧客が、別ラインナップの「ノート」の良さに気付いて購入の対象を変えることもあります。
従って新型車は、定期的に投入することが好ましいのです。ひとつのメーカーがマイナーチェンジを含めた改良を短期間に集中しておこなうことがありますが、これはもったいないことです。
そして日産は、新型車の発売を滞らせた結果、国内の販売台数を大きく減らしました。
日産の国内販売台数(軽自動車を含む)は、2007年は72万台でしたが、2010年は65万台に下がり、2015年は60万台、2020年は47万台、直近の2021年は45万台でした。
2021年における日産の国内販売台数は、2007年の63%にすぎません。
近年の国内販売は、日産に限らず減少していますが、国内販売総数で見ると、2021年は445万台で、2007年は535万台だったため83%です。日産の63%という落ち込み方は、国内の全体推移と比べても大きなものになりました。
その結果、国内販売ランキングの順位も大きく下がりました。
かつてはトヨタに次いで2位でしたが、2021年は、トヨタ、スズキ、ホンダ、ダイハツに次ぐ5位です。近年の日産の国内販売は5位が続いています。
今まで国内市場を軽視してきた分、これから頑張らないとな