苦悩が続く日本有数の老舗ブランド「スカイライン」はいま日産の販売現場でどう扱われているのか
「指名買い」の多さは老舗ブランドならではの底力か
また、フーガやシーマといったフラッグシップモデルを保有していた法人ユーザーなども、より広い室内空間を持つ「エルグランド」などのミニバンタイプや、フラッグシップEVとなる「アリア」への乗り換えが進んでいるとAさんはいいます。
駐車場の関係などで「どうしてもセダンではないと」というユーザーのみが、かろうじてスカイラインを選んでいるということで、意外にもスムーズな代替が行われているといった印象でした。

逆に今でもスカイラインを求めるユーザーは、スポーツセダンとしての魅力を感じているようです。
比較的価格帯も近いメルセデス・ベンツ「Cクラス」や、BMW「3シリーズ」といった欧州のスポーツセダンとスカイラインを比較検討するのか、前出の営業スタッフAさんに聞いてみたところ、次のように答えました。
「スカイラインは“指名買い”されるケースが多いです」
これはちょっと意外にも思えましたが、とくに新型フェアレディZにも搭載された405PSを絞り出すハイチューン版を搭載する「スカイライン 400R」は、指名買いの多いグレードといいます。
世界的なカーボンニュートラルに向けた動きのなか、ハイブリッドやEVなどクルマの電動化が加速的に進みつつある昨今では、現行型スカイラインは最後の内燃機関のハイチューンモデルとなる公算が高いとみられます。
また欧州のスポーツセダンに匹敵するスペックを誇りながらも、500万円台というバーゲンプライスである点も、ユーザーからは高く評価されているようです。
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このように、すでに登場から8年以上が経過し、決して目新しいモデルではないものの、今でも指名買いがなされるという意味では、やはりスカイラインという老舗ブランドの凄さを感じざるを得ないところでしょう。
確かにセダンというボディタイプ自体が不人気ということで、販売面では苦戦が強いられているスカイライン。
しかし「日産自動車はスカイラインをあきらめません」というメーカーの声にもあったように、例えスカイラインがSUV化したり、ガソリンエンジンを捨てて電気自動車になったとしても、今後もこの伝統ある名前を守り続けていただきたいと、筆者(小鮒康一)は思います。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。




































