苦悩が続く日本有数の老舗ブランド「スカイライン」はいま日産の販売現場でどう扱われているのか

「指名買い」の多さは老舗ブランドならではの底力か

 また、フーガやシーマといったフラッグシップモデルを保有していた法人ユーザーなども、より広い室内空間を持つ「エルグランド」などのミニバンタイプや、フラッグシップEVとなる「アリア」への乗り換えが進んでいるとAさんはいいます。

 駐車場の関係などで「どうしてもセダンではないと」というユーザーのみが、かろうじてスカイラインを選んでいるということで、意外にもスムーズな代替が行われているといった印象でした。

とくに「指名買い」ユーザーが多いという、現行V37型「スカイライン」のハイチューンモデル「400R」
とくに「指名買い」ユーザーが多いという、現行V37型「スカイライン」のハイチューンモデル「400R」

 逆に今でもスカイラインを求めるユーザーは、スポーツセダンとしての魅力を感じているようです。

 比較的価格帯も近いメルセデス・ベンツ「Cクラス」や、BMW「3シリーズ」といった欧州のスポーツセダンとスカイラインを比較検討するのか、前出の営業スタッフAさんに聞いてみたところ、次のように答えました。

「スカイラインは“指名買い”されるケースが多いです」

 これはちょっと意外にも思えましたが、とくに新型フェアレディZにも搭載された405PSを絞り出すハイチューン版を搭載する「スカイライン 400R」は、指名買いの多いグレードといいます。

 世界的なカーボンニュートラルに向けた動きのなか、ハイブリッドやEVなどクルマの電動化が加速的に進みつつある昨今では、現行型スカイラインは最後の内燃機関のハイチューンモデルとなる公算が高いとみられます。

 また欧州のスポーツセダンに匹敵するスペックを誇りながらも、500万円台というバーゲンプライスである点も、ユーザーからは高く評価されているようです。

※ ※ ※

 このように、すでに登場から8年以上が経過し、決して目新しいモデルではないものの、今でも指名買いがなされるという意味では、やはりスカイラインという老舗ブランドの凄さを感じざるを得ないところでしょう。

 確かにセダンというボディタイプ自体が不人気ということで、販売面では苦戦が強いられているスカイライン。

 しかし「日産自動車はスカイラインをあきらめません」というメーカーの声にもあったように、例えスカイラインがSUV化したり、ガソリンエンジンを捨てて電気自動車になったとしても、今後もこの伝統ある名前を守り続けていただきたいと、筆者(小鮒康一)は思います。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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6件のコメント

  1. 言ってもインフィニティQ50。
    スカイラインというよりはレパードの方が適切なのでは?

  2. 全然走っているのを見かけないもんなぁ
    冗談抜きで、片手で数えるくらいしかすれ違った事がない

  3. 何か中途半端な感じがする車になってしまったと言う感じかな?デザイナーの質が下った?日産には、車好きなデザイナーが居ないんだろうと思う。仕事で設計している人ばかりだと思う。

  4. 先月400R発注しました。過去20年歴代スカイライン乗ってきたので他に乗りたい車がなくて、少し無理しましたが無理するのに価値ある車だろうと思い決めました。そういう方が多いんじゃないかな、今スカイライン買う人は。

  5. 34以降はスカイラインじゃないからなぁ。

  6. スカイラインは好きな車です。在米時とか、是非欲しかったんですが、アメリカでは見つけられませんでした。仕方なくホンダのアコード買いました。

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