警官の「免許証確認」“マイナンバーと一体化”でどう変わる? 「切符交付」にも影響!? 「やめた方がいい」と懸念の声も多数

一方で考えられる「一体化のメリット」は

 一方で、警察庁が公表している「新型コロナウイルス感染症をめぐる警察の取組」という資料では、運転免許証とマイナンバーカードを一体化するメリットについて3点掲載されています。

 1つ目のメリットは「住所変更手続きをワンストップ化することが可能」という点です。

 ワンストップ化とは複数の窓口で行っていた手続きをひとつに集約することを指しますが、運転免許証を一体化した場合、市区町村役場でマイナンバーカードの住所変更手続きをおこなえば、警察施設での住所変更手続きをおこなう必要がなくなります。

 次に2つ目のメリットとして、「居住地外での迅速な運転免許証の更新手続きが可能になる」という点です。

運転免許証とマイナンバーカードが一体化!? メリットはあるのか?
運転免許証とマイナンバーカードが一体化!? メリットはあるのか?

 現在のところ、運転免許証に記載された住所地以外で免許の更新手続きができるのは優良運転者、つまりゴールド免許の人のみで、さらに身体に関する免許の条件がある人や免許の再取得後5年未満の人を除くといった条件をクリアしなければいけません。

 そのほかにも、通常の免許更新期間が誕生日の前後1か月であるのに対し、居住地外での免許更新は誕生日の1か月前から誕生日までの間という短期間におこなわなければいけないと決まっています。

 しかし、運転免許証をマイナンバーカードに一体化した場合には、ゴールド免許以外の一般運転者も居住地外での免許更新を行うことが可能になるほか、通常の免許更新と同様、誕生日の1か月後まで更新手続きができるようになります。

 この内容については、マイナンバーカードと運転免許証の一体化に関する道路交通法の改正案に盛り込まれています。

 そして、3つ目のメリットは「オンラインでの免許更新時講習の受講が可能」という点です。

 現状では、北海道警察、千葉県警察など一部の警察で、免許更新時のオンライン講習を試験的におこなっています。

 一方で、現在のオンライン講習の対象者は優良運転者であり、かつその警察の管轄地域に住んでいる人のみに限定されているほか、最終的に運転免許証の受け取りは運転免許センターや警察署でおこなわなければいけないため、あまり利便性の良いものとはいえません。

 こちらの取り組みについては警察庁などから具体的な発表はありませんが、運転免許証とマイナンバーカードが一体化された際には、オンライン講習の対象が優良運転者以外にも拡大する、いずれは警察施設に行かなくても免許更新ができるようになるといった可能性も考えられます。

※ ※ ※

 このように、運転免許証とマイナンバーカードの一体化には、否定的な意見が多い一方で、手続きが今よりも簡略化されたり、利便性が高くなるなど、さまざまなメリットも考えられます。

 詳細な手続きについては今後明らかになっていくと思いますが、メリットやデメリットなどをしっかり考慮しつつ、自分に合う選択肢を検討することが大切といえます。

【画像】免許証の写真はどこまでOK? 明確なルール公開でNGな例を見る!(12枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー