もしパトカーが「事故起こしたら」誰の責任? 事故処理する側のトラブルはどのように対処されるのか

クルマの事故に関しては、警察を呼んで対処することが一般的です。しかし、事故処理をする側のパトカーが事故を起こした場合にはどのような対応となるのでしょうか。

パトカーとの事故は公務中であれば国や公共団体の責任に

 現代社会で生きるうえで、誰しもに起こりうる可能性があるのがクルマに関わる事故です。
 
 一般ユーザー同士の事故であれば、怪我や物損の補償は、保険会社を介して示談交渉がおこなわれますが、もし事故の相手が警察車両となるパトカーであった場合には、どのような対応となるのでしょうか。

事故処理をする側の警察が…もし事故を起こしたらどうなるのか?
事故処理をする側の警察が…もし事故を起こしたらどうなるのか?

 クルマそのものの技術革新や、人々の安全意識の高まりを背景として、クルマに関わる死亡事故は年々減少傾向にあります。

 一方、小さな物損事故なども含めれば、毎日無数の交通事故が発生しているのも事実です。

 交通事故が発生した場合、その大小を問わず警察を呼ぶ必要があります。

 一般的には、警察による事故処理が完了した後、保険会社を介した示談交渉がおこなわれ、相手や自身に対する補償額が決定されることになります。

 比較的軽度な事故で、なおかつ双方が任意保険に加入していれば、よほど特殊なケースでない限り大きなトラブルに発展することはなく、事務的に示談交渉が進められていくのが普通です。

 また、日本では「自動車損害賠償法」により、公道を走行するすべてのクルマにいわゆる「自賠責保険」への加入が原則として義務付けられています。

 そのため、万が一任意保険に加入していない状態で重大事故を起こしてしまった場合でも、被害者に対して最低限の補償を行うことが可能となっています。

 一方、ときとしてパトカーなどの警察車両が事故を起こしてしまう場合があります。

 警察官も人間であるため、事故を起こしてしまうこと自体はやむを得ない部分もありますが、事故処理をおこなう側の立場である警察による事故は、一般ユーザーによる事故とは異なる処理となるのでしょうか。

 結論からいえば、警察車両による事故は「国家賠償法」が適用される場合があるため、必ずしも一般ユーザーによる事故と同一には扱われません。

 国家賠償法の第1条には「国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と定められています。

 つまり、公務員である警察官が公務中に起こした事故については、国もしくは公共団体によって補償がおこなわれることになります。

 例えば、2022年3月には、岡山県で緊急走行中のパトカーが軽乗用車と衝突し、軽乗用車に乗車していた男性が負傷するという事故がありましたが、この事故に対して岡山地裁はパトカー側の過失を認め、男性に対して1200万円の支払いを岡山県に命じました。

 このように、警察車両との事故による怪我や物損の補償は「国家賠償法」によっておこなわれるため、一般的な事故とは流れが異なります。

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1件のコメント

  1. 事故当事者の警察官に過失がないなどの忖度が行なわれないような仕組みではないかと。2006年3月3日の高知白バイ衝突死事故に代表されるような警察ぐるみの不正な操作があってはならないこと。誰が賠償するのではなく、誰が事故の過失を判断するかが重要ですね。警察車両と民間車両の事故に関しては第三者機関が捜査すべきだと思いますが。今はドライブレコーダーの普及で、証拠映像が手に入りやすいこともあるでしょうけど。

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