「パトカーの中ってどうなってる?」 警察官に欠かせない多様な「装備」気になる裏側に迫る!
街中でたびたびパトカーを見かけることがありますが、車内にはどのような装備が備わっているのでしょうか。
パトカーに備わる装備は?
街中でたびたび見かけることのあるパトカーですが、実際に乗って内部を確認したことのある人はそれほど多くないでしょう。
車内には具体的にどのような装備が備わっているのでしょうか。警察官として8年間ほど業務に携わってきた筆者が解説していきます。
まず特徴的な装備として、パトカーの中には「無線機器」が備え付けられています。
無線機器はパトカーの助手席側に設置されており、警察本部などと無線でやりとりをおこなうためのマイクも付いています。
通常、警察本部の通信指令室で事件や事故などの110番通報を受けると、警察本部から現場を管轄する警察署に指令が出され、警察署から現場に近いパトカーや警察官を配備するという仕組みになっています。
無線機器は、パトカーで指令を受ける際や現場の状況を警察本部などへ報告するときのほか、指名手配されている被疑者や盗難車両などを照会して調べるときなどにも利用されています。
また無線機器の近くには、スピーカー用マイクも設置されており、これは交通違反をしたクルマを呼び止めるときや、パトカーが緊急走行をしていることを周囲に知らせるときなどに使われています。
パトカーがサイレンを鳴らしながら緊急走行をしているときに、警察官がスピーカー用マイクを使って、「パトカーが通ります」などとアナウンスをしている様子を見たことがある人もいるかもしれません。
さらに運転席と助手席の間には「サイレンアンプ」という機械が備わっています。
この機械には、サイレンを鳴らしたりパトカーの上部に設置されている赤色警光灯を点灯させるためのボタンのほか、スピーカー用マイクの音量を調節するツマミなどが付いています。
パトカーの種類によっては、助手席の足下にあるスイッチを踏むことでサイレンが鳴り、赤色警光灯が点灯する「足踏み式スイッチ」が設けられている場合もあります。
つまり、パトカーが事件や事故などで緊急走行をするときは、サイレンアンプやスピーカー用マイクを利用しているのです。
さらに、パトカーによっては速度取り締まりに利用される「スピードメーター」が備え付けられていることもあります。
スピードメーターを使った取り締まりでは、速度違反車両の後方を一定の距離間隔で追尾して速度を測定する仕組みとなっています。
このように、パトカーには様々な機械が設置されていますが、ほかにもたくさんのものが積み込まれています。
例えばパイロンや停止合図灯、ヘルメット、刺股(さすまた)、防弾チョッキ、浮き輪などの資機材です。
パイロンとはいわゆる三角コーンのことをいいますが、交通事故現場や火災現場などで車線を規制したり、立入りを制限する場合などに多く使われます。
パイロンのなかには折りたためるものがあるため、比較的小さいパトカーなどでもスペースを取らずに収納ができます。
停止合図灯とは赤色の細長いライトであり、交通事故が発生して通行が滞った場合などにクルマを誘導するために利用します。
車道で交通誘導をおこなう際には、警察官がクルマに轢かれる危険性もあるため、必ずヘルメットを着用しています。
夜間や早朝などに交通誘導をするときには、夜光チョッキと呼ばれる光るベストを着用して勤務にあたります。
ほかにも刺股(さすまた)は、暴れる被疑者の動きを止めるなど制圧の現場で使われ、防弾チョッキは、拳銃の使用が疑われるような事件が発生した場合に装着します。
ユーザーのなかには、「普段制服の警察官が着用している紺色のベストで拳銃の弾丸を防ぐことができるのでは」と思う人がいるかもしれませんが、紺色のベストは「耐刃防護衣(たいじんぼうごい)」と呼ばれ、その名のとおり刃物による攻撃を防ぐものであるため、拳銃の弾丸を防ぐことはできません。
浮き輪については川や海で溺れている人を救助するための道具であり、多くのパトカーに積まれています。使用する頻度は多くないものの、人命救助をする上では欠かせない道具といえます。
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パトカーのなかには、無線、サイレンなどの機械のほか、パイロンや停止合図灯などの道具も多く積載されています。
交通事故や各種事件、人命救助など多岐にわたる業務に対応する警察ならではのアイテムといえるでしょう。
どうせ追いかけられたりマークされる車はスピードが出そうで頭の悪そうな改造車ばかりですので警戒する必要も無いですね。