被害者多い? ドアに傷や凹み…の「ドアパンチ」 警察呼んでも良い!? 保険の補償は受けられる?
「ドアパンチ」は自動車保険の適用対象?
では、自身が自動車保険に加入していた場合、ドアパンチのような軽微な損壊であっても保険は適用されるのでしょうか。
自身のクルマが傷付いてしまった場合に使える保険として「車両保険」がありますが、ドアパンチの被害には車両保険を使える可能性があります。
車両保険には一般補償と限定補償(エコノミー)があり、基本的に補償範囲の広い一般補償は、ドアパンチによる損害の修理費も保険が適用されます。
例えば、東京海上日動の自動車保険の資料を見ると、ドアパンチの損害は「クルマ同士の衝突」「当て逃げ」に該当するといえますが、どちらも一般補償の対応が可能に。
その一方で、補償対象が限られるエコノミーは、上記の東京海上日動は対象ですが保険会社によって異なる場合があるため、自身の保険を一度確認してみるのが良いでしょう。
また一般補償かエコノミーかにかかわらず、車両保険に「免責金額」を設定している場合には、保険を使っても一定の自己負担が必要となる場合があります。
さらに、事故などで自動車保険を使った場合は、自身の契約している等級が下がります。
ドアパンチのように他人とのクルマの衝突、当て逃げにより自身のクルマを修理する場合は、「3等級ダウン事故」に該当します。
これにより、事故で自身のクルマを修理して、保険の等級が下がることで保険料が割増になるという仕組みです。
このことから、実際に支払われた保険金の額やその時の等級によっては、翌年度以降の保険料が大幅に上がり、保険を使うほうが損になってしまうこともあります。
修理費があまり高額でない場合などは、保険を使わず自身で全額を負担してしまったほうがトータルでの支出が抑えられることもあるため、保険金を請求する前に確認しておくことが大切です。
これについて、保険会社に勤めるAさんは以下のように説明します。
「車両保険を使うと3等級ダウンしてしまうので、保険を使うべきかは悩みどころですが、いずれにしてもまずは保険会社に事故報告をしておくことをおすすめします。
保険会社への事故報告=等級ダウンではないので、安心して連絡してください。
その際、保険を使うかどうかは修理費の額と翌年以降の保険料とを比較して判断したいと伝えておけば、勝手に保険を使われてしまうことはありません。
保険を使った場合の翌年度の保険料については、保険会社に依頼すれば概算を出してもらえるので、最終的な修理費が出揃った時点で、保険を使うかどうか決めれば大丈夫です。
3等級ダウンとなれば元の等級に戻るまでに3年かかるだけでなく、3年間は事故有係数が適用され、無事故の場合より割高な保険料となります。
保険を使うかどうかの判断は、支払われる保険金の額と、翌年から3年間の保険料の差額とを比較すると良いでしょう」
※ ※ ※
ドアパンチによって被害を受けた場合、相手が逃げてしまうと修理費は自己負担となりますが、車両保険に加入していれば、保険で直すことが可能な場合もあります。
保険を使うかどうかにかかわらず、まずは警察に連絡をして事故処理の対応をしてもらい、その後加入している保険会社に事故報告の連絡をしておきましょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。