なぜ人気SUV「ハリアー」の受注取消し? トヨタ「誠意ある対応進める」 要因は複数あり? 販売現場の実態とは
トヨタの人気SUV「ハリアー」に関して、注文した一部のユーザーに対して、注文の取り消しを要請するという異例の事態が発生しているようです。また、新規注文の受付も停止しているといいます。実際に販売店ではどのような状況になっているのでしょうか。
異例の事態…トヨタSUV「ハリアー」の注文が取り消しに…その実態とは
2022年7月末現在、トヨタ販売店では「ハリアー」を注文した一部のユーザーに対して、注文の取り消しを要請するという異例の事態が発生しているようです。
また、新規注文の受付も停止しているといいます。実際に販売店ではどのような状況になっているのでしょうか。
ハリアーは、1997年に初代モデルが発売された、トヨタを代表するクロスオーバーSUVの代名詞的存在のクルマです。
4代目となる現行モデルは、299万円から504万円、2021年の登録台数は全体10位にランクインするなど、高い人気を誇るSUVです。
そんなハリアーですが、昨今の世界情勢による半導体不足や、新型コロナウイルスの影響による世界各国の工場の稼働縮小などによる部品の供給不足から、ハリアーの生産自体が難しくなっているため、すでに受けた注文を取り消すといった異例の事態が発生することとなっています。
首都圏のトヨタ販売店担当者はハリアーの現状について、以下のように話します。
「現行型ハリアーについては、当初の納期から大幅に遅延が発生してしまっているのが実情です。
現行モデルの生産が追いついていない一方、2022年9月にはハリアーの一部改良が予定されているため、現行モデルの生産は2022年初頭に終了せざるを得ない状況となってしまいました。
一部のお客様については、現行モデルの納車が間に合わないため、一部改良後のモデルを再度ご注文していただくというかたちで相談させていただいております。
せっかくご注文いただいた現行モデルの納車ができないという意味では、『注文取り消し』が起こっているのは事実です」
一般的な感覚では、受注分の納車を完了させてから次のモデルを生産に入るのがふつうです。
しかし、通常、どのメーカーも数年先までの開発・生産計画を綿密に立てており、そうした計画を変更するのは、ほかのモデルの開発・生産計画にも影響をおよぼしてしまうため、決して容易なことではありません。
また、今回の一部改良は、騒音や排出ガスなどの規制対応に関わるものであるため、そもそも後ろ倒しが難しかったという事情もあるようです。
さまざまな事情があるとはいえ、異例の事態に対してユーザーは不満の声を上げることはないのでしょうか。
また前出とは別の担当者は、意外にもそうした声はほとんど聞かれなかったと話します。
「ほとんどのお客様は、『一部改良後のモデルになるなら問題ない』とご納得いただいています。
当然、一部改良モデルは、注文を取り消しさせていただいたお客様に優先して納車する予定です。
ただ、非常に心苦しいのは、形式上は『新規注文』となるためお手間をかけてしまうことに加えて、一部改良後のモデルでは若干仕様が変更になったり、わずかな値上げとなったりしてしまうことです。
現在、メーカー側ともそうしたお客様に対して何らかの配慮ができないものかと相談を進めているところです」
ハリアーの件に関して、トヨタ広報部は「今回の件に関しては、まだまだきめ細かやかな対応は出来ていません。そのため、各販売会社と連携して誠意ある対応が出来るように進めています」と話しています。
また、SNSを見ると「トヨタからお詫びの手紙とカタログギフトをいただきました。ハリアー待ちのユーザーを大切にしてない訳ではなさそう」という投稿も見られ、一部の販売会社では、ユーザーへの対応をすでにおこなっているようです。
現在、多くのモデルで大幅な納車遅れや受注停止が発生しており、販売店でも注文時にさまざまなケースがあることを丁寧に説明しているといいます。
そのため、実際にハリアーが注文取り消しとなってしまった現状でも、ユーザーからの一定の理解は得られているようです。
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複数の販売店担当者は「過去に例がない」と話すなど異例な事態であるといえます。
また現時点では、ハリアー以外のモデルで同様の事態が起こる可能性は低いようです。
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