車検不要!? 「もう普通車いらないかも…」新車132万円から買える「1人乗り3輪モデル」 200円で120km走れる!? バイク乗りから見た「アーバントライカー」とは?
最近、見かける機会の増えてきた屋根付き三輪スクーター(三輪トライク)。そのなかでドア付きの「アーバントライカー」というモデルに対してバイク乗りはどのような印象を抱いているのでしょうか。
「バイクに乗るのが好きだから乗っている」というライダーは多いと思いますが、一方で「少し疲れる乗り物だ」と感じているのもまた正直なところではないでしょうか。
なぜならバイクには転倒リスクが常に付きまとうことに加え、ヘルメットの着脱も煩わしいもの。
髪の毛はつぶれるし、荷物もそんなに運べない。
そんな、バイクの「好きだけど、ちょっと面倒」という部分をテクノロジーで解決してくれるのが、屋根付き三輪スクーター。
その一方で、ライダーとしては「操る楽しさはあるのか?」や「バイク特有の機動力は損なわれていないの?」などの疑念も湧いてくる存在です。
今回は、数ある3輪スクーターの中から「アーバントライカー」を、バイク乗り目線でレビューしてみました。
現在、アーバントライカーには大きく分けて2つの機種が存在します。
1つ目はURBAN TRIKER 2026 (carry the door仕様)。
こちらは完全に金属や樹脂で作られたドアが装備された、文字通りの「閉鎖空間」を持つモデル。
外気から遮断されるため、雨や風の影響を完全にシャットアウトしてくれます。
そしてURBAN TRIKER。
こちらはナイロン製の簡易ドアを備えたモデルで、ドアが完全に閉じ切らない分「風」を感じやすく、バイクに近い開放感が残されています。
この2つの車両のスペックを見て、多くのライダーが目を疑うのがその法的な立ち位置です。
見た目こそキャビンを備えたミニカーのようですが、日本における扱いは非常に特殊で、まさにクルマとバイクの「いいとこ取り」パッケージ。
運転に必要なのは二輪免許ではなく「普通自動車免許(AT限定可)」のみとなっています。
その理由は、道路交通法において、以下の3つの条件を満たすトライクは「自動車」として扱われるため。
・3つの車輪を備えていること。
・車輪間の距離(トレッド)が460mm以上あること。
・車体が傾かずに旋回する構造であること 。
アーバントライカーはこの基準をクリアしているため、二輪免許を持っていない人でもクルマ感覚で公道を走ることができます。
一方で、登録上の扱いは「側車付軽二輪(250ccクラス相当)」となり、これがバイク乗りにはたまらないメリットと感じられる要因。
まず、250cc相当であるため車検は不要。軽自動車税は年間わずか3,600円程度です。
さらに車庫証明不要で届出義務がないため、導入時の事務的負担も最小限となっています。
さらにアーバントライカートピックは、法的にヘルメットの着用義務がありません。
自動車扱いのため、標準装備のシートベルトを締めていればノーヘルでの走行が認められています。
夏場の信号待ちでフルフェイスに熱がこもる苦痛を知っているライダーにとって、これは非常に魅力的な選択肢ではないでしょうか。
特に2026年モデルのcarry the door仕様は、フロントスクリーンから屋根、そして完全なドアまで備えられており、ワイパー付きのスクリーンと堅牢なキャビンに守られているため、走行風の巻き込みや飛び石の不安は、従来のバイクやオープンなトライクとは比較にならないほど抑えられています。
とはいえもちろん安全性を考えればヘルメット装着は一つの選択肢ですが、この「選べる自由」があること自体が、この乗り物の自由度の高さを象徴しているように感じます。
と、ここまでは理想的なポイントばかり紹介してきましたが、バイクに慣れ親しんだ人が覚悟すべきは、「すり抜け」が実質的に不可能になる点。
車幅が広いため、渋滞時はクルマと同様に車列に並ぶ忍耐が求められます。
そうなると、「これならクルマと同じじゃないか」と感じることもあるかもしれません。
また、駐車場についても注意が必要で、多くのバイク駐輪場は二輪車を想定しており、幅のあるトライクは拒否されるケースがほとんど。
出先での一時的な駐車はもちろん、マンションの駐輪場なども含め保管場所は事前にしっかりとした確認が必要です。
なお、動力源には、安全性と長寿命に定評のある「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)」が採用されており、航続距離は1回のフル充電で最大約120kmの走行が可能。
これは通勤やちょっとした遠出には十分な性能です。
また、満充電にかかる費用は200円弱。ガソリン代が高騰し続ける昨今、この電気代の安さは非常に魅力的ではないでしょうか。
さらに4000Wのインホイールモーターによる、EVらしいフラットで力強い加速も魅力的なポイントです。
注意すべきは最高速度が60km/hに設定されている点で、法規上は高速道路も走れますが、周囲との速度差を考えれば、現実的にはバイパスや幹線道路までの「街乗りメイン」と割り切るのが無難です。
なお価格は、URBAN TRIKER 2026 (carry the door仕様)が143万円、URBAN TRIKERが132万円となっています。

※ ※ ※
バイクは本来、雨に濡れ、風に煽られるなど、「不便を楽しむ」乗り物です。
しかしアーバントライカーはその不便さをテクノロジーで解決し、快適性と安心感、そして圧倒的な経済性を実現したモデルとなっています。
雨の日でも普段着のまま移動でき、立ちごけの心配からも解放される。それは純粋な「走り」を追求する人には物足りないかもしれませんが、日常の移動をよりスマートに、より安全かつ「少しだけ風を感じながら」楽しみたい現代のライダーにとって、これほど合理的な選択肢はありません。
バイクほど便利ではないかもしれませんが、バイクほどストイックでもなく、快適で爽快な移動を楽しめる存在。それが「アーバントライカー」という新しい選択肢ではないでしょうか。

























