なぜクルマの「スタートボタン」位置はバラバラ? 鍵穴時代は「ハンドル右側」が定番も 個体差が出てきた理由とは
スマートキーの普及によって、エンジンもしくはシステムの始動はスタートボタンでおこなわれることが一般的となりました。かつてのイグニッションキーはほとんどがハンドルの右側でしたが、プッシュボタンの位置は左右まちまちとなっています。そこにはどんな理由があるのでしょうか。
イグニッションキーは右がほとんどなのに、プッシュボタンは左右まちまち
ひと昔前のクルマでは、エンジンを始動するためにキー(鍵)をハンドル根元のキーシリンダーに差し込んで回すという行動が必要でした。
しかし、最近のクルマではスマートキーの採用が増えており、エンジンスタートボタン/プッシュスタートボタン(以下スタートボタン)を押すことでエンジンを始動させる光景が定番化しています。
そうしたなかで、かつてのキーシリンダーのほとんどがハンドルの右側でしたが、スタートボタンの位置は左右まちまちとなっています。そこにはどんな理由があるのでしょうか。
スマートキーの普及にともない、エンジンもしくはシステムの始動はスタートボタンでおこなわれるようになりました。
スタートボタンは、ハンドルの左右もしくはセンターコンソール周辺に配置されているのが一般的ですが、その位置は車種によって異なります。
例えば、トヨタ「プリウス」はハンドルの右側ですが、同じトヨタでも「ヤリス」はハンドルの左側です。
ほかにも、ホンダ「N-BOX」はハンドル右側下部、日産「ノート」はセンターコンソールのシフトレバー付近となっています。
また、プリウスの左ハンドル車(北米仕様)は日本仕様同様ハンドルの右側ですが、ヤリスの左ハンドル車(欧州仕様)は日本仕様とは異なりハンドルの右側にスタートスイッチが位置しています。
一方のイグニッションキーはごくわずかな例外をのぞいて、ほとんどがハンドルの右側に位置しており、それは左ハンドル車であっても同様です。
なぜ、スタートボタンの配置はイグニッションキーの位置に比べて、これほどまでにバリエーションが豊かなのでしょうか。
イグニッションキーが右側にある理由は、キーを差して回すという動作を負担なくおこなえるようにしたことに起因しています。
世界中の人々のおよそ9割弱が右利きであることを考えると、右ハンドル車でも左ハンドル車でも、ハンドルの右側にイグニッションキーを設置したほうが合理的です。
また、工業製品には、大量生産をすることでひとつあたりの単価を抑えることができるという大原則があります。
そのため、できるだけ同じ配置や形状で統一したほうが、コスト面でも有利となることが、イグニッションキーの位置が多くの車種で右側にある大きな理由だといえます。
国産メーカーの販売店担当者は「かつて鍵穴はハンドル右側というのが定番でしたが、最近では車種によってエンジンスタートボタンの位置はバラバラです。そのため、お客さまに説明する際などでは一瞬戸惑うこともあります」と話しています。
またレンタカー店舗の担当者は「最近ではスタートボタンの位置が異なりますので、貸出前のご説明時には必ずスタートボタンの位置を最初にお伝えするようにしています」と話しており、スタッフ側も位置がバラバラとなったことによる対応が求められるようです。
「単にメーカーの思想。」
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一昔前はトヨタは右側が、ホンダは左側が多かったけど、ここ数年でデビューした車種は逆になっているよね。