やっと出た! 日産新型「エクストレイル」日本導入時期は想定内!? 米国兄弟車より2年遅れた真相とは
日産の主力SUV「エクストレイル」の新型が2022年7月20日に正式発表されました。モデルサイクルから見ると「もっと早く登場していたはず」ですが、実際にはこのタイミングで発売することを日産は想定していたといいます。
最初から2022年7月に発表する予定で動いていた!?
「日産新型『エクストレイル』はいつになったら発売されるんだ!?」
新型エクストレイルの登場を待ちわびていた人のなかには、そんな気持ちを抱いていた人も多いのではないでしょうか。
なにせ、ネットメディアや自動車媒体などでは、コロナ禍が始まった2020年頃から、「2021年に発売可能性大」といった内容の憶測記事が多数出ていたのですから、それが「2022年初頭に発表かも?」という流れになり、それでも出ないようなので、ユーザーとしては「一体いつなの?」といった気持ちになってしまったはずです。
そして、やっと2022年7月20日に新型エクストレイルが正式発表となりました。
そこで、筆者(桃田健史)は、同日に日産グローバル本社で開催された新型エクストレイル発表記者会見に参加し、グローバルマーケティング&セールス事業などを統括する執行役副社長の星野朝子氏に直接次のような質問をしてみました。
「発売タイミングですが、一昨年(2020年)頃から自動車メディアなどを通じて何度も発表の噂があり、ユーザーの方たちの間では期待値がかなり高まりました。
それは自動車メディアなどによる憶測に過ぎなかったのか。または半導体不足やコロナ禍での影響はあると思いますが、当初から発表はこのタイミングなのでしょうか」
これに対して、星野副社長は「我々としては、今年のこの時期(2022年7月)に発表ということで準備をしてまいりました」と端的に答えました。
記者発表の後、車体開発、e-POWER開発、マーケティングなど、新型エクストレイルにかかわるさまざまな日産関係者にも、同じように日本での発売タイミングについて聞いてみましたが、皆さんがこのタイミングを目指して準備を続けていたと話しています。
また、新型エクストレイルの開発総責任者である、チーフ・ヴィークル・エンジニアの中村将一氏からも話を聞きましたが、先行して北米で発売している、エクストレイルの兄弟車「ローグ」について、発売時期が違うことを前提に両モデルを並行して企画・開発していたとして、今回の日本発表のタイミングをかなり前から認識していたという主旨の説明でした。
では、多くのメディアが今回の発表タイミングよりかなり前に、新型エクストレイルが発表・発売されるというイメージを持った背景について、時計の針を少し戻しながら振り返ってみたいと思います。
第一に、歴代エクストレイルからのフルモデルチェンジのサイクルです。初代エクストレイル(型式T30)が2000年登場で、2代目(T31)が7年後の2007年登場。3代目(T32)がその6年後の2013年に登場しました。
となれば、2013年の7年後の2020年、または遅くとも2013年の8年後の2021年には、4代目(T33)が登場するのではないか、という考えが出てくるのは当然でしょう。
一方で、日産は現在の内田誠社長体制になってから、2020年5月28日に「事業構造改革計画・NISSAN NEXT」を発表し、そのなかで「今後18か月で12の新型車を(グローバルで)投入する」ことを明らかにしています。
つまり、2021年11月末までを指し、これを根拠に日本での新型エクストレイルが2021年内に発表というイメージが、メディアはもとより、ユーザーや販売店の間でも広がったのだと思います。
ただし、NISSAN NEXTのなかでは、電動化の推進について、2023年度までに8車種を超える電気自動車を導入し、e-POWERをグローバル市場のB、Cセグメントで拡大としています。また、電動化率では日本は2023年度までに60%を達成するとの目標を掲げています。
そうなると、メディアやユーザーの間でも次期モデルでのe-POWER搭載が確実視されていたエクストレイルが2022年度の夏に登場したことは、NISSSAN NEXTで当初公開された電動化ロードマップに準じているともいえます。
なるほど、そういう事だったのか
日産の事だから、てっきり日本市場を軽視しているものだとばかり思ってた