トヨタがヒョンデに先を越される? トヨタにこそやって欲しかった「水素スポーツカー」が韓国から発表された!

2022年7月、韓国・ヒョンデのモータースポーツ部門から燃料電池+電池のスポーツモデルが発表されました。市販化も想定されているといいます。どのようなクルマなのでしょうか。

FCVの覇権争い、トヨタはどうする!?

 韓国・現代自動車(ヒョンデ)が2022年7月、突如として燃料電池+電池を組み合わせたスポーツモデル「N ビジョン 74」を発表しました。ヒョンデのモータースポーツ部門の手によるもので、2025年頃の市販化も計画されているといいます。
 
 しかし燃料電池自動車(FCV)で世界TOPを争うトヨタからこうした話は聞かれません。FCVの覇権争いは大丈夫なのでしょうか。

ヒュンダイが2022年7月に発表した燃料電池とバッテリーを搭載するスポーツカーのコンセプトカー「N ビジョン 74」
ヒュンダイが2022年7月に発表した燃料電池とバッテリーを搭載するスポーツカーのコンセプトカー「N ビジョン 74」

 燃料電池自動車(FCV)といえばトヨタが世界最先端だと思っている人も多いでしょう。確かに大きく先行していました。

 けれど現行型の「MIRAI」になって進化が止まってしまいました。あまりに販売台数が伸びなかったため、熱意を失ったのかもしれません。

 加えて最近は水素エンジンに注力しており、燃料電池で競技車両を作ったり楽しいクルマを作ろうというパワーも感じません。私(国沢光宏)のような燃料電池応援団としちゃ寂しい限りです。

 そんな中、韓国・現代自動車(ヒョンデ)が突如、燃料電池+電池のスポーツモデル「N ビジョン 74」を発表しました。 

 日本でいえばトヨタの「GR」に相当するヒョンデの「N」(WRCを中核としたスポーツモデルディビジョン)という部門によるもので、現時点ではコンセプトカーながら、2025年あたりの発売を考えているといいます。

 かつてイタリアのカロッツェリア(デザイン工房)ジウジアーロにデザインを依頼した1974年のコンセプトカー「ポニークーペ」を模したデザインに、500kW以上という高出力な後輪2モーターの燃料電池車を組み合わせたもので、蓄電用に62.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

 日本の自動車メーカーが情熱を失った「クルマ本来の楽しさ&夢」をキッチリ追いかけたいということらしい。

 日本人は忘れてしまっているけれど、世界レベルで見ると、スポーツモデルがそのメーカーのブランドイメージを作ってくれます。

 だからこそ高性能車を作らなくなった日本の自動車メーカーって世界規模で見たらジリ貧状態。このままでは、やがて家電製品のように日本ブランドが忘れさられることになってしまいます。

 今や日本ブランドのテレビなど絶滅危惧種と考えれば自明のこと。燃料電池スポーツモデル、本来ならトヨタがやるべきジャンルです。

 もっといえば、2025年くらいになると純エンジンの高性能パワーユニットは消えていく。こうなった時にスポーツモデルをどうしようということになることは間違いなし。

 トヨタや日産の動きを見ると、将来のスポーツモデルには電気自動車などを考えているようです。

 けれど電気自動車のハイパフォーマンスカーを作ろうとすれば、電池を大量に搭載しなければならず重くなる。同時に充電時間も掛かってしまいます。

 そんななか、ヒョンデは燃料電池でスポーツモデルを作ろうと提案してきました。

 水素なら充填時間3分程度。燃料電池だけの出力じゃ足りないとなれば、ある程度の容量を持つ電池でカバーしてくれます。

 サーキット走行をイメージしてください。

 コースインと同時に、燃料電池はフル出力を出し続ける。減速やアクセル全開じゃない時は余剰になった電力を電池に貯める。フル加速時は燃料電池+電池の合計を使うというもの。

 これだと電池だけ使うスポーツモデルより大幅に軽くできるし、長い時間掛かる充電だって不要です。

 しかも燃料電池技術は、トヨタやホンダと並ぶヒョンデのストロングポイントでもあります。フェラーリやポルシェ、当然の如くテスラなどと勝負しても負けないクルマになる可能性を持つのです。

 もちろん課題だって多い。

 なかでも厳しいのが冷却。電池の冷却も燃料電池の冷却も技術レベル高い。私が参戦してきたレースやラリーでも、日産EV「リーフ」やFCVのMIRAIは、最後まで冷却に苦しみました。

 この点、ヒョンデN部門の責任者に聞いてみたら「その通りです。燃料電池と電池、モーターの冷却は凄く凄く難しい」。

 この答えを聞いて少し驚く。夢物語じゃなく、すでに相当レベル高いところまで開発は進んでいるということです。

 トヨタも燃料電池のスポーツモデルをやるべきだと思う。繰り返しますが、このままだと家電の二の舞になります。

 思い出して欲しい。

 2010年時点で、日本の電気自動車技術は間違いなく世界TOPだったと思います。私は2013年、リーフを競技車両に仕立てて全日本ラリーに出場したけれど、電気自動車の面白さと課題が明確に解りました。

 おなじように燃料電池車も2015年から競技で使い始め、これまた改良を加えていくことで着実にポテンシャルアップ。世界で最も燃料電池のノウハウを持っていたと考えます。

 しかし、すでに電気自動車は完全に周回遅れになってしまった。もはや日本の電気自動車技術で世界に勝負できる部分なしです。

 2013年から育てていけば、現在進行形で世界と勝負できていたろう。当時の日産、そんなこと全く考えておらず。

 このままだと燃料電池技術も追いつかれ、抜かれてしまうかもしれない。

 我が国は完全に「茹でガエル」状態になった感じ。大いに心配です。

 世界を見ると「嫌韓」というコンセプト無し。日本人の大半が未だ韓国を日本の2ラップ遅れくらいに考えているようです。

 実際、日本語堪能なヒョンデのチャン社長に聞くと「ハイブリッド技術はもうトヨタに追いつけません。だから次世代の技術で追いつこうと思っています」。

 自動車業界は今が剣が峰。いや、すでに追いつかれ、抜かれているメーカーもあります。

 日本はもう少し危機感を持つべきです。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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コメント

19件のコメント

  1. いくら安くてもヒョンデは買わない。韓国製品ならよくある火が出るとか、周りを巻き込む事故だけは起こさないでね。

  2. 世界でヒョンデが評価され、売れているという。
    日本人はいつ目が覚めるのか、国沢先生の心配がよくわかります。

  3. な~んだ、燃料電池か。くだらね~
    スポーツカーならMTの水素エンジンに限る。

  4. 水素は駄目ですよ水素は作れません

  5. いくらでも発表してください。
    走行出来ての車です。
    そして安全、安心があっての車です。
    火災や爆発の恐れのあるものを車とは呼びたくありませんからね。
    現代自動車はデザイン重視で安全度外視な気がしてなりません。
    事故が起きないことを祈ります。
    私の周りでの所有者が居ないことも祈ります。

  6. トヨタはスポーツカーでなくて、水素のレーシングカー作ってるからね それも24時間耐久レース完走

  7. 次期デロリアンと言われたら、うなづける。
    この車で、タイムマシン仕様作ってほしい~

  8. 何言ってんだ?コイツ。
    トヨタは水素エンジンで既にモータースポーツ走らせてるだろうが。
    国内インフラさえ整えばいつでも市販車発売出来るだろうに。
    国沢、、ハングル読めるものなぁ。
    幾ら今作った所でインフラ整って無かったら何も意味が無いんだよ。だがな、ハッキリ言って韓国よりも日本の方が遥かに水素に前向きなんだよ。
    この前のアイオニック5の衝突発火事故、突入スピード90キロ?おいおい、何でそんなスピードで突入してんだよ。衝突安全性能世界トップクラスの筈だが?(笑)
    他にもベンツのディーラー前にいきなり交差点赤信号で左折加速して突っ込んで即炎上。何なんだよ?世界最高レベルの衝突安全性能って。国沢、、教えてくれ。大容量急速充電器を日本国内中に設置したらこの夏どうなるのかもな。

  9. 何言ってんだ?コイツ。
    トヨタは水素エンジンで既にモータースポーツ走らせてるだろうが。
    国内インフラさえ整えばいつでも市販車発売出来るだろうに。
    国沢、、ハングル読めるものなぁ。
    幾ら今作った所でインフラ整って無かったら何も意味が無いんだよ。だがな、ハッキリ言って韓国よりも日本の方が遥かに水素に前向きなんだよ。
    この前のアイオニック5の衝突発火事故、突入スピード90キロ?おいおい、何でそんなスピードで突入してんだよ。衝突安全性能世界トップクラスの筈だが?(笑)
    他にもベンツのディーラー前にいきなり交差点赤信号で左折加速して突っ込んで即炎上。何なんだよ?世界最高レベルの衝突安全性能って。国沢、、教えてくれ。大容量急速充電器を日本国内中に設置したらこの夏どうなるのかもな。

  10. トヨタがハイブリッド一番乗りは確かですが、マツダはロータリーなど、むしろトヨタは一番乗りより、市場を見て参入の会社です。問題は一番乗りに拘り、未完成品を販売するヒョンデです。また、爆発事故を起こしますよ。アイオニック5、今回のスポーツカーも同じ。買ってはいけません。火葬機能つきケンチャナヨ水素自動車。

    • ここでの反応を見ていると自動車もスマホや有機Elの二の舞、韓国に負けそうで嫌になります。K-POPやエンタメ関係(Netflixとか上位を韓国エンタメが独占)も世界を見ている韓国と保守的に閉じこもってしまった日本との差を感じていますが、全てが同様の構図ですね。

      昔の日本車は、いろいろ新しいことやって面白かったけど、本当に保守的になってしまいました。当時の自動車評論家と称する人たちが、散々ヨーロッパを礼賛して、電子制御とか馬鹿にしてたけど、すっかり逆転してしまいました。逆に若い人たちの保守化、何でも日本礼賛の姿勢も気になります。

  11. 水素自動車ってそもそも
    何で開発されたのか
    自動車でごはん食べているのだから
    知ってるでしょうに。
    それに今の段階で水素自動車の
    バリエーション増やす意味あるの。
    増やして

  12. そもそもタイトルがおかしいね。
    「水素スポーツカー」ではなくて、「燃料電池スポーツカー」や「FCVスポーツカー」と書くのが慣例であり常識でしょう。
    この場合の「水素」はあくまで燃料電池発電のエネルギー用であって、基本的には電気自動車。
    「水素~」とつけると水素エンジンと混同されかねない。
    そしてヒョンデの車自体は良いのかも知れないが、一体どこで売るのかと。
    だって、水素ステーションがある程度普及してるのは世界でも日本とアメリカ西海岸だけでしょう。
    韓国国内や欧州には水素ステーションなどほとんどないのですから、米輸出用を日本でも売るか、というのは発想なのでしょうが、日本におけるヒョンデのディーラーは大都市部に数か所しかない上にサービス拠点はたった一箇所という状態じゃ、ごく一部の地域の人しか買えない上に故障したら修理待ちの列でしょう。
    つまりただのプロモーションですね。ヒョンデブランドの宣伝や、官公庁や自治体などへの導入目的であって一般ユーザーを見ていません。
    この記事もプロモーションの一環だと思います。

  13. トヨタがオワコンなのは誰でも知ってて今更感だね。
    で、燃料電池車でもメルセデス(ドイツ勢)が圧勝するでしょ。
    水素(貯蔵可能)はフランスの原発で製造するだろね。
    根本的に、モーターや電池は中華の外注ポン付けでもごまかせる。
    でも、車の核心的メカや制御ソフトは内製するしかないでしょ。
    アイオニック5の料金所事故では床面のデザインが手抜きで、
    蓄電池が料金所のコンクリートに直撃して爆ぜたらしいね。
    まんま、プリ〇ス・ミサイルとどっこいどっこいじゃないかな。
    来年秋予定のFCEV版スターリア(ワゴン車)の方が意味ありそう。

  14. 韓国と爆発は切っても切り離せない。

  15. 5 G 世界初と同じだわ。世界初じゃないと存在感がなくなる。現代、テスラが火災を起こしても騒がない自動車評論家。

  16. トヨタが次世代は燃料電池だといえば
    メディアはこぞって時代は電気だとEVを囃し立て
    他社から燃料電池車が出たらそちらを囃し立てる。
    随分勝手な話だと思いませんか?

    付け加えて、トヨタは燃料電池車普及のために
    特許を開放しています。車を走らせる楽しさは
    社長自らが一番よく理解しているからこそ
    EV一辺倒以外の道を模索している。

  17. 70近い車大好き爺です。
    これから先の、こんな面白いスポーツ車を考えてるそのバイタリティが、ホントに羨ましく感じますね。
    国沢さん、きっとこの国の、自動車産業は終わりますよ。
    新しいクラウンに、明るい未来は見えない、ワクワクする未来も見えないですからね。4種のボディでごまかしてるけど、同じボディで動力装置を本気4本柱で出して、ユーザーに選ばせるってやったら拍手だったんだけどね~

  18. 写真を見た感じだと、モックアップのように見えますが・・・