ある意味「ガチンコ」勝負!? トヨタ&スバルは似た者同士? BRZが菅生で魅せた「速さ」とは

決勝の日曜…SUBARU BRZの走りはいかに…?

 日曜日の決勝、SUBARU BRZが走るGr.2のスタートは、いつもより早い午前8時45分からです。

 レース開始直後にオイルを吹いた車両の影響でFCY(フルコースイエローコーション)が提示されたものの、スタートドライバーの山内選手は影のライバル86号車を引き離しながら走行。

 井口選手に交代後もそのペースは変わらず、86号車を1分以上引き離すことに成功。

 最終ドライバーの廣田選手も86号車を上回るタイムで走り切り、3時間をトラブル&アクシデントなく走り切ります。

 結果は107周を走ってST-Qクラス優勝、総合順位も格上のクラスのマシンに迫る速さを見せつけました。

 レース後、山内選手は次のように語ってくれました。

「マシンの進化はもちろん、みんなの気持ちとやる気が結果にも表れたと思っています。

 速さと乗りやすさのバランスも良い方向に向きはじめていますが、僕的にはまだまだ足りていないので、今回やってきた内容をもう一段階引き上げて、次のオートポリスではガチンコで前に行けるように頑張りたいと思います」

 その表情はいつもよりも満足そうに見えたのは気のせいではないでしょう。

 本井監督に今回の総括をお聞きしました。

「とにかく『嬉しい』のひと言です。初めてドライバーに褒められたかも。

 今回は『飛び抜けてみよう!!』をテーマに若いエンジニアがさまざまな挑戦をしてくれた成果が、狙った以上に出たと思っています。

 予選はレース屋の86号車より前、決勝も終始抑えることができ、何よりも86号車のチームから『何やったの?』と聞かれたことが最高に嬉しいです。

 実は富士のときも随分、会話をして色々なアドバイスもいただいたので、恩返しができたかな……と。

 もちろん、課題がないわけではないので、次に向けてシッカリ準備をすれば、結果はおのずと出ると信じています。とにかく、充実したレースウィークでした」

菅生は「最後の最後までカイゼンの手を止めない」という信条ゆえの欠場となった(画像は富士24時間レース)
菅生は「最後の最後までカイゼンの手を止めない」という信条ゆえの欠場となった(画像は富士24時間レース)

 最後にGR藤原氏に聞いてみました。

「内心は『なぜ、我々は走っていないのだろう?』とやきもきする気持ちと、スバルが速くなったことに対して素直に『驚き』と『凄さ』を感じたレースウィークでした。

 我々はお休みして開発を進めているので、オートポリスはぶっちぎりで勝たないと恥ずかしいですよね。

 負けないようにネジを巻いていきたいと思っています」

※ ※ ※

 このように今回のスバルの覚醒で、GRのギアも一段上に入った感じといえます。

 次のオートポリスは再びガチンコ対決になります。

 3戦終了してTeam SDA Engineering 2勝/ORC ROOKIE Racingが1勝ですが、次戦は今まで以上に激しい&いい戦いになりそうです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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