ある意味「ガチンコ」勝負!? トヨタ&スバルは似た者同士? BRZが菅生で魅せた「速さ」とは
2022年7月9日、10日に、「第3戦 SUGOスーパー耐久3時間レース」が開催されました。ORC ROOKIE Racingの28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」が欠場するなか、Team SDA Engineeringの61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」はどのような走りを見せたのでしょうか。
GR86は「前向きな欠場」という選択…SUBARU BRZは「速さ」を追求!
波乱の連続だった富士24時間耐久レースから約1か月、今回はスポーツランド菅生でおこなわれる3時間耐久です。
時間は短いもののテクニカルなコースのため油断はできません。
今回はクラスがふたつ(Gr.1/Gr.2)に分けられ、3時間×2のレースとなっています。
マシンは富士からどのような進化を遂げたのでしょうか。
まずはTeam SDA Engineeringの本井雅人監督に話を聞きます。
「富士ではトランスミッションに課題がありました。
実はレース直後にトヨタさんとうち、そしてアイシンさんと集まり、破損したトランスミッションをバラして検証しました。
弊社(三鷹)でやったのですが、今までじゃありえないことです。
勝ち負けも大事ですが、次に向けて『皆で何とかしなければ!!』という想いが強くなっている証拠です」
61号車のSUBARU BRZ、パッと見ると富士のときと大きな違いはありませんが中身はかなり手が入っています。
富士から投入されたダクト付きボンネットは、菅生からカーボン製へ変更することで軽量化しているほか、懸念のトランスミッションはGR開発の強化品を導入(ギア比などはスバル専用)。
さらにミッションに優しいエンジン制御(アップシフト:アクセル全開シフトがOK/ダウンシフト:ブリッピング機能付)も重箱の隅を突くようなアップデートがおこなわれています。
パワートレインは吸気系レイアウトを一新することで、何と+約20psの出力アップを実現。
1.4リッターとはいえターボエンジン搭載のGR86との出力差を埋める決定打のひとつだそうです。
富士のときには内緒だった、カーボンニュートラル燃料を綺麗に燃焼させるための制御や専用のエンジンオイルも投入されています。
フットワークはどうでしょうか。
実は今回、一番変わった部分で、セッティングの考え方を大きく見直したといいます。
「我々の走りの考え方は、量産車もレーシングカーも変わらず『誰が乗っても、乗りやすくて速い』です。
ここまで量産の延長線上でいいところまで来たと思っていますが、スリックタイヤを使うレーシングカーとして求める性能という意味では、弱い所があったのも事実です。
そこで今回(菅生)とオートポリス(次回)は、一度徹底して『速さ』に振ってみようと。
車高/キャンバーなどは、その方向でセットアップをおこなっています。
一歩一歩着実……も大事ですが、一度、我々の常識の外を経験してみようと。そんな挑戦をしています」(本井監督)
要するにトランスミッション以外の部分の信頼性は2戦を戦って実証されているため、次のステップに入ったというわけです。
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