軽キャンパーみたいな「トイレカー」なぜ開発? 移動トイレのニーズに消防車メーカー「モリタ」が着目した訳
消防車を手掛ける「モリタ」は、移動可能な「トイレカー」を開発・販売しています。消防車などの特殊車両メーカーがトイレカーを作ったのはなぜなのでしょうか。
軽キャンピングカーかと思いきや「トイレカー」だった!?
はしご車など、消防自動車の大手メーカーとして知られているモリタが「トイレカー」を販売しています。
トイレカーとは、その名の通り、移動用トイレを搭載したクルマです。
移 動用トイレといえば、屋外イベントや建設現場でよく見かける仮設トイレがありますが、仮設トイレでは小便器と大便器が別々だったり、別に手洗い場を設置する必要があります。
それがモリタのトイレカーは、普通のトイレのようにひとつの空間にすべてがパッケージングされているのが特徴です。
どうして消防自動車の大手メーカーであるモリタが、トイレカーの開発や販売に乗り出したのでしょうか。
モリタの担当者は次のようにいいます。
「これまでは災害現場の地方自治体は、国土交通省や自衛隊などの救済や援助を待っていました。
しかし、近年は豪雨などで過去に経験のないような災害が全国各地で多発しているため、災害に対する早期対応での減災や、災害に備えるための防災への意識が全国各地の地方自治体で高まっており、我々としてはそうしたニーズを捉えた事業を進めています」
今回、トイレカーが展示されていたのは、東京ビッグサイトで開催された「自治体・公共Week」です(2022年6月29日から7月1日)。
スズキ「キャリイ」をベースとし、ボディサイズは全長3640mm×全幅1670mm×全高2750mm。駆動は2WDでエンジン出力が35kWの8ナンバー登録車で、普通免許で運転できます。
これに100リットルの給水タンクと280リットルの便槽タンクを装着しており、概ね200回の使用が可能だといいます。
標準装備は、陶器製小便器、洋式の陶器製大便器、蛇口のある手洗い場、換気扇、室内灯に加えて、車外には格納式昇降ステップや手すりがあり、価格は600万円です。
子会社のモリタエコノスはバキュームカーの国内シェアトップの会社なんですが。
この車の最大の強みはバキュームカー登録なので下水処理場やし尿処理施設で直接投棄できることだよ。