箱根ターンパイクの「ターンパイク」って何? 有料道路のナゾ名称…生まれは英国、名付け親は鉄道会社

「箱根ターンパイク」は神奈川県箱根町の南を走る有料道路の名前ですが、聞きなれない言葉「ターンパイク」とはどんな意味なのでしょうか。

東急が建設した箱根ターンパイク

 箱根ターンパイクは、神奈川県箱根町の南を走る長さ15kmほどの有料道路です。民間の箱根ターンパイク株式会社が運用・管理していますが、会社や道路の名前に使われている「ターンパイク」はどんな意味なのでしょうか。

箱根ターンパイク(画像:写真AC)
箱根ターンパイク(画像:写真AC)

 箱根ターンパイクは、観光やドライブはもちろん、私道であることから道路を貸し切ってのクルマの試乗会やプロモーション撮影、オフ会などのイベントなどでも使われています。

「ターンパイク(Turnpike)」という言葉は、日本ではあまりなじみがありませんが、一般的に有料道路や高速道路、またはその料金所を指す英語の言葉です。

 この言葉が生まれたのは、17世紀後半のイギリスでした。

 同国では16世紀以降、各教区が道路を運用・管理していました。しかし、産業革命などによって交通量が増えたため、道路を有料化して、管理は各教区から民間企業に委託したのです。

 料金を徴収する際、槍(パイク)で道路をふさぎ、代金を支払うと回転(ターン)させて通行を許可したことから、ターンパイクという言葉が生まれました。

 箱根ターンパイクは、東急電鉄の子会社だった東急ターンパイクが、1965年に運営を開始した有料道路です。

 東急はもともと箱根だけではなく、渋谷~江の島間や藤沢~小田原間を結ぶターンパイクも計画していました。

 しかし、国が計画と東急の計画が似ていたため、東急の2路線は断念。当時の国の計画はその後、第三京浜と西湘バイパスとして実現しています。

 唯一、東急により箱根ターンパイクが開通しましたが、観光客の減少などによって利益も減少したため、2003年の取締役会でターンパイク事業の譲渡が決定。

 2004年からは、NEXCO中日本グループの箱根ターンパイク株式会社が運用・管理しています。

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