放置してない? 緊急用「テンパータイヤ」は使ってなくても劣化する!? パンク時にやっちゃダメなNG行為とは
タイヤは時間とともに空気が抜けていくので、定期的に空気圧を調整する必要がありますが、これは緊急用として搭載される「スペアタイヤ」も同様です。しかし、スペアタイヤはトランク下などに入れたまま放置されることが多く、いざというときに使えない状態になっているケースもあるようです。
「テンパータイヤ」は普通のタイヤより細くて小さい
緊急用として車載されている「スペアタイヤ」や「テンパータイヤ」は、パンクなどタイヤのトラブルがない限りはトランク下などに収納され、放置されがちな備品のひとつです。
しかも最近では「パンク修理キット」が標準化されつつあり、スペアタイヤの搭載が減っていますが、それでもまだ数多くのクルマに搭載されています。
ちなみに、スペアタイヤは標準タイヤと同じサイズ、基本的には同じ素材の5本目タイヤのことを示す一方、テンパータイヤ(テンポラリータイヤ:テンポラリーは一時的の意味)は小型&軽量化を考慮して標準タイヤより小さく細く作られているのが特徴。
テンパータイヤを使うときは、どんなことに注意したら良いのでしょうか。整備士のT氏に聞いてみました。
まずは標準タイヤとの違いはどのようなところなのでしょうか。
「大きいな違いは、軽量化&や簡素化のために、通常のラジアルタイヤに内蔵されるスチールベルトがテンパータイヤにはありません。
構造的にはバイアスタイヤに近いのですが、スチールベルトがないためトレッドの剛性が低いんです。
それでもタイヤにかかる荷重にも耐えられるように空気圧が標準タイヤの2倍以上となっていたり、通常より硬いゴム素材で作られていたりします。
また小型・軽量を実現したことからタイヤの性能は必要最低限しかなく、制限速度が80km/h、連続走行距離が約100km未満に限定されています」
最近はテンパータイヤを搭載せず、パンク修理キットを搭載する車種が増えているのはなぜなのでしょうか。
「テンパータイヤが搭載されなくなったのは、やはりコストとリサイクルの観点も大きいでしょう。
10年以上も使われないテンパータイヤも多いですし、使ってなくても最終的には廃棄される運命です。
さらに小型・軽量化されているとはいえ、収納スペースの確保が必要で10kg程度の重量もあります。
そのため、スペースも取らず、価格もテンパータイヤと比較して安いパンク修理キットが標準装備化されつつあるのだと思います」(T整備士)
※ ※ ※
2022年3月のJAFロードサービス出動要請では、「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」は2万9781件(全体の17.14%)発生するなど、起こりがちなトラブルです。
出先でタイヤのトラブルが発生する可能性もあり、車載されたテンパータイヤやスペアタイヤが使える状態にあるのか、事前にチェックしておきましょう。
一昔前のミニバンとか商用車に多い車体下部に吊り下げているタイプのものは、やっぱり劣化が早いね。
車検時や12ヶ月点検の時に空気圧を確認するんだけど、エアバルブがひび割れていて空気が完全に抜けている車もいるよ。