放置してない? 緊急用「テンパータイヤ」は使ってなくても劣化する!? パンク時にやっちゃダメなNG行為とは
使ってなくても空気圧とひび割れのチェックは必須
テンパータイヤはいつでも使える「パンクレスタイヤ」と勘違いされることがありますが、標準タイヤと同じくゴムを主成分としており、時間がたてば空気は抜け、日光に当たらなくても劣化は進んでしまいます。
テンパータイヤをチェックするとき、どのようなところを確認すべきなのでしょうか。
「まずは空気圧のチェックは定期的にしておくと良いと思います。
標準タイヤの空気圧が200kPaから250kPaの場合、テンパータイヤの適正空気圧は420kPa前後と2倍程度の設定になっています。
このあたりを目安に、車検時や定期点検などでエアー不足になっていないかを確認しておくことをお勧めします。
もうひとつは、目視による劣化の進行具合です。トランクの下などに横置きで収納されており、テンパータイヤ自体に荷重がかかっていないので変形の心配はあまりないと思います。
劣化の目安として、クラック(ひび割れ)が生じていないかを目視でチェックしてください」(T整備士)
実際、T整備士が担当した業務用トラックのユーザーは、経年劣化でひび割れたテンパータイヤを装着して、バーストしたことで入庫したケースもあるとのこと。普段使わないからこそ、劣化具合は確認しておく必要があるでしょう。
では、テンパータイヤを取り付けるときの注意点などはあるのでしょうか。
「取り付けに関しては通常のタイヤ交換と手順は一緒なのですが、取り付けるところには注意が必要です。
パンクやエアー不足などでトラブルを抱えたタイヤが駆動輪だったとしても、駆動輪にはテンパータイヤを使用しないことが重要です。
FF車なら前輪、FR車なら後輪が駆動輪となりますが、問題のないタイヤを駆動輪に移し替え、駆動輪ではない車輪にテンパータイヤを装着してください。
テンパータイヤは強度がないため、駆動輪に使用すると走行が安定しない恐れがあるためです」(T整備士)
ちなみに4WDの場合は、FFベースかFRベースかで判断し、主要駆動輪にはテンパータイヤを使用してはいけません。
また、タイヤによっては取り付ける方向が決まっているものもありますが、駆動輪に移し替えたときに逆向きになってしまっても、テンパータイヤよりは強度があるのでひとまずその状態で急場をしのぎます。
そして、できるだけ速やかにディーラーや販売店、タイヤ専門店などに持ち込むのがベストな対処法だそうです。
「トラブルのあったタイヤだけを新しいものに交換するのではなく、4輪全部を交換したほうが安全です。
また、テンパータイヤは一回装着しただけで使えなくなることはありませんが、耐久性がなく、ほかのタイヤの摩耗具合にも影響するということを覚えておいてください」(T整備士)
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テンパータイヤやスペアタイヤを搭載していても、空気が抜けてしまっていては使い物になりません。
標準タイヤの空気圧をチェックするときに同時に確認したり、テンパータイヤの空気圧不足を応急処置するためにパンク修理キット用意しておくのもひとつの手段になるでしょう。
一昔前のミニバンとか商用車に多い車体下部に吊り下げているタイプのものは、やっぱり劣化が早いね。
車検時や12ヶ月点検の時に空気圧を確認するんだけど、エアバルブがひび割れていて空気が完全に抜けている車もいるよ。