トヨタ新型「GRカローラ」なぜ304馬力? 端数の“4馬力”はアメリカの事情!? 日米市場の違いとは
トヨタが新型「GRカローラ」の日本仕様を初公開しました。アメリカでも発売される予定ですが、日本市場とは異なる事情があるようです。
早くもアメリカで話題沸騰の新型「GRカローラ」
トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)は2022年6月1日、日本仕様の新型「GRカローラ RZ」と新型「GRカローラ モリゾウエディション」を世界初公開しました。
その発表会の現場で、新型GRカローラに関して開発責任者に質問をぶつけてみたところ、新型GRカローラに対する米国市場向けの考え方を知って、日本市場での今後の展開がより鮮明に理解できました。
まずは、モデル名称からです。
プレスリリースでは、「新型GRカローラ RZは、本年(2022年)4月に公開した新型GRカローラの日本仕様グレードです」と記載されています。
「本年4月の公開」とは、TGRが現地時間2022年3月31日に米カリフォルニア州ロングビーチでおこなったワールドプレミアを指します。
その時、米国で人気のドリフト競技シリーズである「フォーミュラドリフト」が開催されており、トヨタとしてはそうしたユーザー層を通じて、若い世代に広く新型GRカローラを訴求する狙いがありました。
また、米国トヨタの専用ウェブサイトには、「ノー レイン チェック」というキャッチコピーがあり、強い雨が降るなかでカウンターをあてながらサーキット走行する新型GRカローラの姿が描かれています。
米国仕様の特徴は、リアハッチ上部に大型スポイラーを備えていることでしょう。ところが、今回日本で披露された新型GRカローラ RZにはこの大型リアスポイラーが装着されていません。
この点について、新型GRカローラ開発責任者は、「日本では標準設定ではありません。リアスポイラー自体が米国生産ということもあり、日本向けにはオプションや用品設定を考えている」と説明します。
じつは、米国仕様の新型GRカローラにはふたつのグレードがあるといいます。
ひとつが「サーキットエディション」で、日本での新型GRカローラ RZに相当。この米国仕様のサーキットエディションには、前述のように日本仕様にはない大型リアスポイラーが装着されます。
これとは別に日本市場では設定のない廉価バージョンがあり、こちらはエンジンフードに冷却用ダクトなどがなく、ベースとなった「カローラスポーツ」と同じようなボディ形状をしています。
こうしたグレード設定からも、トヨタは米国で新型GRカローラ購入のハードルを下げ、パフォーマンス性を広い層に向けて強くアピールしたいという狙いがうかがえます。
また、新型GRカローラ RZの最高出力値が304ps(馬力)であることについて「アメリカの馬力表記(hp)で『300hp』を念頭に置いたから」という事情についても明らかにしました。
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4月のワールドプレミア後、米国では新型GRカローラに対して市場の反応はどうだったのでしょうか。新型GRカローラ開発責任者に聞いてみました。
「トヨタがこういうクルマを出すことは、現地のSNSで好意的に受け入れられています。例えば、カローラでこのようなクルマが設定されることに意義があって、楽しみだという声が多くあります」
また、新型GRカローラ開発責任者が米国のトヨタ販売店関係者に直接コントタクトしたところ、「割り当て台数が少ないのが懸念だという声が出るほど、ユーザーからの問い合わせが多い」とうれしい悲鳴も聞こえてきたそうです。
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