三菱×日産で日本のクルマは寂しくなる? 「良い選択」もそこにある不安
「よい選択」だが大きな不安も しわ寄せは「日本」に?
しかし、個人的に非常に大きな不安があります。「日本向けのクルマ」です。
過去、日産は最悪だった業績を回復するために、思い切った改革を進めてきました。モノ作りもそうですが、「どこでどんなクルマを売るのか」という戦略も非常に合理的になったのです。そして「売れるところを優先」という姿勢も鮮明になりました。その結果、中国や北米という大きな市場でしっかりとシェアを確保しました。つまりビジネスが上手なんですね。しかし、パイが小さく伸びしろの見込めない市場は、どうしても後回しになります。そう、それが日本市場です。
もちろん日産は「日本市場も大切です」と言います。ところが北米や中国と比べると、やはり日本市場への熱量は少ないようにしか見えません。ですが、そのようにして日産は業績を回復してきました。となれば、三菱自工も同じ道をたどるのでは――そんな不安をぬぐうことができません。
日産とのアライアンスで三菱自工は、未来が見えてきました。しかし、日本市場のユーザーとしては「あまりうれしくないなぁ」が、今回の発表を聞いて最初に浮かんだ感想です。
【了】
提供:乗りものニュース
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。


