三菱×日産で日本のクルマは寂しくなる? 「良い選択」もそこにある不安

三菱と日産&ルノー、もうひとつの「よい組みあわせ」と思うワケ

 また三菱自工の開発現場に、日産から人材が派遣されることも発表されました。三菱自工の会長兼CEOである益子 修氏が「開発部門の風土、意識改革促進を図ることができると期待をしております」と言うように、失墜した三菱自工開発陣の信頼回復にもつながります。

 ただしこの新しい体制は、相当の軋轢が生じることでしょう。日産自動車は1999(平成11)年にカルロス・ゴーン氏をトップへ迎えて17年目、中身はすっかり外資系の会社へと変化しました。取材するとおもしろいのですが、開発などモノ作りの現場は熱血漢が多い浪花節の日本風ですが、マネージメント側は合理的ですっかり「外資」という雰囲気。執行役員のトップ5名(CEO/CCO/CFO/CPO/CPLO)はカルロス・ゴーン氏を含む4人が外国人ですし、聞いたところによると、部署によっては毎週、外国人の上司へ英語での報告もあるとか。

 一方で三菱自工の役員は、上から下まで全員が日本人です。日産の傘下になるわけですから、当然、三菱自工側が大きく変化することになるでしょう。

 ルノーと日産には、異文化を融合させてきた経験があります。アライアンスの先輩ですから、間違いなく三菱自工側の変化は進みます。つまり、三菱自工の人にとっては、強烈な変化に直面するわけです。率直に、大変そうだなあと思います。しかし、日産風のマネージメントの浸透は、信頼回復の大きな力になることでしょう。

 そのようなわけで、ビジネス面だけでなく、信頼面でも、日産と三菱自工のアライアンスは「三菱自工の人には大変だろうけれど、よい選択だった」と思うのです。

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