EVでも“スバルらしさ”健在! 新型「ソルテラ」はスバルファンの期待に応える魅力満載だった!
スバル車の定番「シートヒーター」にもこだわった
興味深いのは、スバルファンが思わずニヤリとするスバルらしさは走りだけに留まらないということです。
たとえばスバル車の定番アイテムであるシートヒーターは、スバルのこだわりとして新型bZ4Xよりも発熱面積を広くして極寒地の快適性を向上。
またプレミアムオーディオである「harman/Kardon(ハーマンカードン)」も設定したほか、半ドア警報などクルマが発する音もスバル専用で、“いつものスバルの音”に設定しています。
そんなクルマ作りの根底にあるのは、スバル車に乗り続けたユーザーが乗り換えても違和感を抱かないようにという考えにほかなりません。新型ソルテラは、スバルファンにとってうれしいクルマ作りとなっているのです。
ところで新型ソルテラのAWDモデルは、スバルの市販車として初めての前後モーター駆動モデルです。
前後独立式のモーターとすることで、前後配分比は機械式AWDでは真似のできない50:0から50:50、そして0:50(そのときの最大駆動力を100とすれば100:0から0:100)まで自由に実現できるようになりました。
自在な前後配分コントロール、そしてモーターならではの綿密な駆動力制御は、これまでの機械式のAWDシステムではできなかったこと。それはスバルAWDとしても初めての領域です。
それによって、従来はできなかった前後駆動配分でより走りを究められるのは、新型ソルテラのドライバビリティを語るうえでの大きな特徴といえます。
スバルのエンジニアが味付けしたAWDシステムは、EVであってもドライバーの操作次第では積極的にリヤへトルクを送ってアグレッシブに曲がる挙動を示すのが楽しいところです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
尚更アイサイトが搭載されないのが惜しいな…