高速バスのダイヤなぜ「1分単位」? 鉄道なら分かるけど…道路でも細かく決めているわけは
高速バスの時刻表を見ると、運転時刻が1分単位で細かく決められています。不確定要素の多い道路を何百キロも走るのにもかかわらず、なぜそんな細かく設定しているのでしょうか。
東京から1000km以上先の到着時刻が「11時17分」
高速道路を走り、離れた都市を結ぶ高速バスは、飛行機や鉄道、船などとともに、旅行に欠かせない交通機関です。利用時にはバスの運行時刻を調べることになりますが、出発地はもちろん到着地の時刻も1分単位で細かく示されています。
しかし、この高速バスのダイヤで、数百キロ先の目的地に到着する時刻が、なぜ1分単位で細かく決まっているのでしょうか。5分や10分単位に丸めていない時刻にしている理由を、高速バスの運行会社に聞きました。
道路を走るときは、渋滞や、一般道ではさらに信号など、事前には分からない不確定要素が多くあります。
そのため例えばマイカーで遠くへ出掛けるときは、目的地の到着は「10時頃」「昼前」「夕方」のように大まかにイメージしたり、行き当たりばったりで進んだりする人が多いかもしれません。1分単位で決めても、その予定を狂わす要素が多いからです。
しかし、高速バスは、同様に道路を走るにもかかわらず、運行時刻が1分単位で細かく決められています。
例えば、西日本鉄道が東京~福岡間で運行する夜行高速バス「はかた号」の時刻表を見てみましょう。
下り便の博多バスターミナル(福岡市博多区)の到着時刻は11時17分。上り便のバスタ新宿(東京都渋谷区)の到着時刻は9時19分です。
1000km以上という長距離を走るわけですが、それでも時刻は細かく決められています。
ジェイアールバス関東などが東京駅~鹿島神宮駅(茨城県鹿嶋市)間で運行する昼行高速バス「かしま号」も、下り便の途中の鹿嶋市役所着は11時32分や21時52分など細かい設定です。
このような高速バスダイヤの事情について、ジェイアールバス関東の担当者は次のように説明します。
「バスの運行時刻は、法定速度で出発地から到着地まで走行した場合で算出しています。一般線でも高速線でも、運転時分は1分単位で設定しています」
ジェイアール東海バスの担当者も同様で、走るルートの法定速度や、社内で決めている安全に走れる速度でダイヤを決めているといいます。
「曜日や時間帯によって交通量が増減して所要時間も変わったりしますが、そのデータも社内で蓄積していて各区間の運転時分を決めています。
もちろん道がすいていたり、信号に引っ掛かったりなどで到着時刻が前後することはありますが、このようなルールでダイヤは1分単位で決めています」(ジェイアール東海バスの担当者)
バスの運行時刻は、マイカーで出掛けるときの感覚とは異なり、走行ルートの距離と速度、そしてこれまでの運転実績に基づくデータなどに基づいて決められています。
このため、5分や10分単位に丸めず、計算と実績に基づいた時刻で示しているということです。
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