東京・大阪間の高速SA「うどん出汁」の境界線はどこ?「関東風」「関西風」だけじゃない「名古屋飯」の存在も!?
「出汁の境界線」長距離ドライバーに聞いてみた!
関ケ原周辺を通るのは名神高速ですが、もっとも近いと思われるSAが滋賀県の「多賀SA」です。
もうひとつの太平洋側の伊勢湾岸道路を経由する新名神ルートでは、滋賀県甲賀に近い「土山SA」あたりが境界線として有力候補となります。
ただし、滋賀県にはご当地名物となっている「近江ちゃんぽん」があり、うどんはメインとはいえない様子。
しかもこの近江ちゃんぽんの出汁が、鰹節と昆布など7種類の素材をブレンドするハイブリッド出汁となっており、それこそ「関東風」と「関西風」を「中華風(ちゃんぽん)」に掛け合わせた複雑なものになっています。
そこで、関西に出張する機会が多い長距離ドライバーに直撃。関東風と関西風の出汁の違いはどのあたりで感じるのでしょうか。
主に都内から他県への運搬を手掛けるドライバーのIさん(50代・男性)に話を聞いてみました。
「あまり深く意識したことはありませんが、確かに琵琶湖周辺になると関西風の出汁に変わる気がします。
感覚的には、西に向かうにつれて徐々にうどんのつゆの色が薄くなっていく感じです。
ただ、名古屋ではきしめんよりも味噌煮込みうどんばかり食べちゃうんですが、名古屋はむろ節と鰹節がメインになるみたいです」
次に、名古屋や大阪まで取材に行くという自動車雑誌の編集者Aさん(40代・男性)にも話を聞いてみました。
「関東では、基本的にあまり肉系のうどんは食べない気がしますが、それが関西になるとグッと肉うどんのメニューが増えるんです。
滋賀には地元のブランド牛『近江牛』の肉を使ったうどんがありますので、あのあたりが境界線になるのではないでしょうか」
東京・大阪間ではやはり名古屋めしの勢力が強く、Iさんが鈴鹿サーキット(三重県)への取材の際に食べるのはもっぱら名古屋めし系の味付けのものが多いとのこと。名古屋パワーは偉大です。
愛知のお隣である三重県は、関西と呼ばれる近畿地方と中部地方の両方に属しているといわれます。三重県在住の知人に話を聞くと、「気持ちは関西人、でも食文化は名古屋めし」なのだとか。
実際、東名高速~名神高速、または伊勢湾岸道路を経由するルートでも、愛知県と三重県の県境に流れる木曽川を境に、カレーに使用する肉がポークからビーフに切り替わるなどかなり関西色が強くなるのだそうです。
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明確な境界線こそありませんが、いろいろな人の話を総括すると、滋賀県あたりまで来るとうどんの出汁は関西風になるといえそうです。
地域の名物を食べたり出汁の違い食べ比べてみるのは、長距離ドライブの醍醐味といえそうです。
大型連休に関西方面、または関東方面に出かける人は、出汁の違いを楽しんでみてください。
名阪高速なんてありませんが。