「あれっ?オービスか!」急ブレーキかけたら「Nシステム」だった!? よく似た両者の見分け方
一般道や高速道路では「オービス」によるスピード違反の取り締まりがおこなわれていますが、見た目がそっくりな「Nシステム」という装置もあります。オービスとNシステムの違いは、どのようなところにあるのでしょうか。
「オービス」と「Nシステム」が紛らわしい!
行楽シーズンを迎え、高速道路を利用して遠出をする人もいるのではないでしょうか。
道が空いていると、ついうっかりスピードを出してしまうことがありますが、そうなると交通事故とともに怖いのが、主に高速道路に設置される「自動速度違反取締運転装置」、いわゆる「オービス」の存在です。
オービスはアメリカのボーイング社の商標ですが、現在では自動速度違反取締運転装置全般を示す通称として定着しています。
正式名称でも分かるとおり、装置によって24時間道路を監視し速度超過したクルマを撮影。後日警察から速度超過したクルマの所有者に出頭の通知書が届くというものです。
一方で、このオービスとよく似た形状の「自動車ナンバー自動読取装置」、通称「Nシステム」というものもあります。
こちらは速度超過の取り締まりが目的ではなく、主に犯罪捜査用を名目に通行車両のナンバープレートを撮影するもの。現在では高速道路だけでなく、主要な国道や空港、原子力発電所周辺など全国の道路1700か所以上に設置されています。
しかもこのオービスとNシステムは一瞬で見分けるのが難しいほどよく似た形をしており、前走車がいきなりブレーキをかけて速度を落とす場合は、オービスかNシステムが設置されているケースが多いのです。
現在稼働しているオービスは6種類存在しているといわれており、それぞれに見た目の特徴があります。
ひとつ目は「レーダー式」です。道路上部にセンサーが設置され、レーダーを照射して速度を測り撮影するタイプで、記録媒体がフィルムなので枚数に制限がある旧式のオービスです。
主に道路脇にF型の支柱に設置されているので、ある程度遠くからでも識別できます。
現在、新しいシステムを採用したオービスへと切り替えが進んでいるようですが、一部では「SSS」呼ばれる最新式も登場しています。
ふたつ目は「Hシステム」です。ハンペンのような白い四角形のレーダー部分から断続的なパルスレーダー波を発振させて性能を向上させた、いわば「レーダー式」のアップグレード版です。
本体は警察署に常時通信接続されており、撮影した画像はすぐ警察に送られるようになっていますが、こちらも徐々に新型に置き換わってきているといわれています。
もうひとつ、昔から設置されているのが「ループコイル式」で、道路に速度を計測するセンサーを埋め込むタイプです。
主に路肩に設置されており、支柱がないことから遠くから識別しにくく、さらにレーダーを使用しないため、いわゆる市販の「レーダー探知機」でも反応しないとされています。
現在主流となりつつある「LHシステム」と呼ばれるタイプで、ループコイル式とHシステムを組み合わせたものです。
F型や道路全体を覆う門型の支柱が目印で、首都高のトンネル内に設置されているのが確認されています。
このほかに「iM」と呼ばれる新型の移動式小型オービスもあります。固定型のオービス設置が難しい住宅地などで取り締まりを強化するために開発されました。
従来型と比較して非常に小型・軽量で、設置時間は2時間もかかりません。
これは通称「ネズミ捕り」と呼ばれる移動式オービス「iS」のような小型さと、固定式の精度の高さを併せ持っているとして今後導入が増えると予想されているもの。
高速道路のみならず一般道にもオービスが増えるというのは、それだけ制限速度をオーバーしやすい環境が一般道で多いともいえ、高速道路だけでなく一般道でもスピードに注意を払う必要があるでしょう。
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