マツダの次期型「最上級セダン」は登場しない? 欧州関係者「マツダ6を発売する予定ない」 真意はいかに
「マツダ6」はマツダのフラッグシップセダンとしてグローバルで販売されています。その一方で欧州マツダの関係者は「次期型マツダ6を発売する予定ない」というようなコメントを欧州メディアが報じています。果たしてその真意とはどのようなものなのでしょうか。
次期型マツダ6はもう出ないのか? FR+直6の新型車はすべてSUVに?
マツダのフラッグシップセダンである「マツダ6」の次期型は、新開発のFRプラットフォーム×直列6気筒エンジンの組み合わせで登場すると噂されていました。
しかし、最新の情報ではそうした情報は否定されてしまったようです。

マツダ6は、マツダのラインナップのなかでもフラッグシップに位置するモデルとして君臨してきました。
現行モデルは当初「アテンザ」の名で2012年に発売されましたが、2019年のマイナーチェンジの際に、日本での名称もアテンザのグローバル名であるマツダ6へと統一されました。
現在販売されているマツダ6には、セダンとステーションワゴンが設定されており、それぞれに2リッターガソリンエンジン、2.5リッターガソリンエンジン、2.5リッターターボエンジン、そして2.2リッターディーゼルエンジンと、多彩なパワートレインを用意。
駆動方式はFFと4WDから選択できますが、4WDは2.2リッターディーゼルエンジンのみの設定となっています。
そんなマツダ6ですが、現行モデルはアテンザの名で登場した2012年からすでに10年が経過しており、随所に古さが見え隠れするようになったことで、かねてより次期型の登場が噂されていました。
これまで有力な情報だったのは、新開発されるFRプラットフォームに、同じく新開発の直列6気筒エンジンを搭載したモデルとして登場するというものです。
さらに、派生車種としてクーペモデルもラインナップされるという情報もありました。
それを裏付けるものとして、2017年に開催された東京モーターショーでは、次世代のマツダデザインを示唆するモデルとして「ヴィジョン クーペ」が公開されていました。
しかし、2022年3月に入り、FRプラットフォーム+直列6気筒エンジンのマツダ6、さらには次期マツダ6自体が登場しないという情報が海外を中心に話題になっています。
いくつかの海外メディアは、マツダモーターヨーロッパの幹部によるコメントとして「マツダ6の後継車やその派生モデルのクーペを発売する予定がない」ということを報じています。
一方で、直列6気筒エンジンを搭載する新モデルの開発自体は進められていることが明らかにされています。
マツダでは、2022年3月8日に新型SUVの「CX-60」を世界初公開しています。
日本では4月7日の公開が予定されていますが、この新型SUVは、新開発のFRプラットフォームをベースとする「ラージ商品群」の第一弾という位置付けです。
現在発表されているのは、マツダ初となるプラグインハイブリッド車仕様ですが、新世代の3リッター直列6気筒エンジンも設定される予定です。
マツダは、CX-60 (2列シート)を欧州/日本など、CX-70(ワイドボディ2列シート)を北米など、CX-80(3列シート)を欧州/日本など、そしてCX-90(ワイドボディ3列シート)を北米などに順次投入していくことを明らかにしています。
つまり、新開発のFRプラットフォームと直列6気筒エンジンという組み合わせ自体は噂通り開発が進められていたということになります。
しかし、セダンやワゴンそしてクーペというボディタイプではなく、すべてSUVとして登場することになるようです。
マツダ6の次期型について、現時点でマツダからの正式なアナウンスはありません。
しかし、SUVが全盛の昨今、マツダが選択と集中を進めた結果、SUVの開発・生産を優先するという予測の妥当性は十分です。
セダンの生産中止が相次ぐ昨今ですが、マツダ6もそうした波にのまれて近い将来消え去ってしまう可能性は決して低くはないでしょう。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。






























