トヨタ 新型SUV「bZ4X」は2社から同車種名で中国投入!? 北京五輪でも注目 その全貌とは?

トヨタが2022年年央にグローバルで発売を予定しているSUVタイプの新型EV「bZ4X」。中国市場も意識して開発されているといわれますが、どのようなモデルとして投入されるのでしょうか。

北京五輪でも注目を集めたトヨタ新型「bZ4X」

 トヨタが2021年に発表した電気自動車「bZ4X」は、同社が2025年までに合計で7車種を展開する予定の「bZシリーズ」第一弾となるSUVです。

 2022年央に北米、日本、中国などの市場で発売予定ですが、中国のトヨタ車では今までにはなかった「ふたつの合弁会社が同じ名前で製造・販売」という形で展開される予定で、話題となっています。

トヨタ新型「bZ4X」(画像:トヨタ自動車(中国)投資有限公司 公式ウェブサイトより)
トヨタ新型「bZ4X」(画像:トヨタ自動車(中国)投資有限公司 公式ウェブサイトより)

 トヨタのEV戦略のかなめとなるbZ4Xは2021年4月に開催された上海モーターショーで、量産車に近い状態のコンセプトモデル「bZ4Xコンセプト」として発表されました。

 ワールドプレミアがおこなわれたのが中国なので、トヨタとしてもとくに中国市場を意識したモデルということなのでしょう。

 その後、2021年11月に開催されたLAオートショーで北米向けの量産モデル、そして同月に開催の広州モーターショーでは「bZ4Xプロトタイプ」としてプロトタイプモデルが中国初のお披露目となりました。

 また、2022年2月4日から20日まで開催された2022年北京オリンピックでは、bZ4Xが聖火リレーの伴走車として使用されました。

 ここでおさらいしておきたいのが、中国市場特有の「合弁会社」というシステムです。

 中国では輸入車に対して高い関税を課しています。2018年7月から9座席以下の乗用車に対しては25%から15%に引き下げられましたが、高い関税を回避するために多くの外国メーカーは一部モデルを中国国内で生産しています。

 また、合弁なしでは中国国内での生産が最近まで許可されていなかったため、海外メーカーは中国の自動車メーカーと合弁会社を設立し、その工場で自社モデルを生産することになります。

 トヨタもその例外ではなく、「アルファード/ヴェルファイア」といった一部モデルを除き、 中国にて現地生産をおこなっています。

 現在トヨタが展開する合弁会社は主に2社存在し、それぞれ第一汽車との「一汽トヨタ」、広州汽車との「広汽トヨタ」となります。

 そして特徴的なのが、トヨタは基本的にひとつのモデルをデザインと名前を変えた姉妹車としてふたつの合弁会社から展開しています。

 例えば、トヨタの小型セダン「カローラ」は、日本ではもちろんカローラとしてお馴染みで、中国でも一汽トヨタがカローラを製造・販売しています。

 一方、同じカローラでも広汽トヨタからはデザインの異なる姉妹車が「レビン」として販売されています。

 カローラとレビン以外にも、一汽トヨタと広汽トヨタからは、「ヴィオス/ヤリスL」、「アリオン/レビンGT」、「イゾア/C-HR」、「カローラクロス/フロントランダー」、「RAV4/ワイルドランダー」、「ハリアー/ヴェンザ」、「クラウンクルーガー/ハイランダー」、「グランビア/シエナ」がそれぞれ姉妹車として展開されています。

 ちなみに唯一例外なのが一汽トヨタの「アヴァロン」と広汽トヨタの「カムリ」です。同一の車格としてそれぞれの会社から展開されていますが、使用しているボディは異なり、姉妹車ではありません。

 また、アルファードとヴェルファイアに関しては中国では製造されていませんが、ヴェルファイアは「クラウン ヴェルファイア」として一汽トヨタが、アルファードは広汽トヨタが輸入車として販売しています。

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