「FRとは思えない!」スバル新型「BRZ」は雪上走行がメチャ楽しいスポーツカーだった!
後輪駆動車(FR)は雪道のような滑りやすい路面が苦手だといわれていますが、スバルのFRスポーツカー「BRZ」はどうなのでしょうか。雪道を走り、新型BRZの雪上性能を試してみました。
FRでも雪道をキッチリ走れることを体感!
ウインターシーズンも終わりという3月初旬に、スバルが新型「BRZ」の雪道試乗会をクローズドコースで開催した。
AWD技術をスイトロングポイントとしているスバルなのに、「どうして後輪駆動車(FR)の新型BRZで雪上試乗なのか」とスバルの広報担当に聞いてみたところ、「スバル車は後輪駆動であってもキッチリ雪道を走れることを体験して頂きたいということが骨子です」とのこと。
裏メニューとして、姉妹車のトヨタ新型「GR86」との違いを知って欲しいということらしい。
ちなみに新型BRZと新型GR86の足回りの違いは、新型BRZがスタビリティ重視、新型GR86がシャープさ重視というイメージ。
新型BRZは滑りやすい雪道を走ったときもトラクションが掛かるようにしてあり、さらにアクセル戻した際、新型GR86は瞬時にスロットルを戻す。
それに対し、新型BRZはジンワリ戻すという電子スロットルのセッティングをしていて、雪道でアクセル戻したときの安定性が変わってくるという。話を聞くとすべて納得いく。
ということで新型BRZのMT車の雪上試乗です。
車両は、標準装備で18インチのタイヤ&ホイールを履く上級モデルの「S」グレードに、17インチのスタッドレスタイヤを装着したモデル。
コースは、限りなく林道に近い群馬サイクルスポーツセンター(群馬県みなかみ町)の逆走。朝イチの試乗枠ということから、バリバリに凍った雪です。
助手席には「1周だけ注意箇所のガイドをします」と、雪の群馬サイクルスポーツセンターを走らせたら、ウソ偽り誇張なく世界一速いラリードライバーの新井大輝選手が乗ってくれる。
逆走は初めて。しかも雪。慎重に行く……ような私じゃありません。雪道を見ると「ひゃっほ~!」となるので、最初から楽しんじゃいます。
雪道を走った際、最初にやることがアクセル全開と試しブレーキです。アクセル全開すると大雑把なトラクション性能をイメージ出来るし、ABSが効くまで踏むブレーキも4輪のミューを身体のセンサーでアジャスト出来る。発生するGは曲がる方向も同じくらい出ます。
200mくらいアクセルを踏んでブレーキ踏んでハンドル切って「本日のグリップ」を判定したら「あらま!」新型BRZは雪道でも予想以上に走ってくれる感じ。後輪駆動車と思えないほどです。
考えてみたら、ブレーキや横方向のGについていえば、4WDも後輪駆動車も変わらない。
アクセル踏んだときの駆動力が違うだけだ。アクセル戻したときのエンジンブレーキが後輪だけに掛かる点も違いますけど。
雪道を走ると、期待以上にリアのトラクションが掛かることに驚かされた。舗装路を500馬力の後輪駆動車で走っているんじゃないかと思うくらいパワースライドするものの、これまた楽しい。意のままにテールをパワーで滑らせることができるのだった。
なるほどテールの流れは穏やか。横方向のGが掛かったときにリアにジンワリ荷重が掛かるんだと思う。
今は作っていないけどスバル本家のサンバーはRRだが、この車も冬は幹線道路や急カーブが少なく勾配の緩い山間部程度であれば4WDを切っても普通に走れる車だった。エンジンブレーキも後輪駆動だけに後ろのタイヤに摩擦があるから左右に振れることもない。雪に強いスバルというキャッチコピーは本当だ。
ちなみにスタッドレスタイヤの効きだけど、ブリジストン≧ヨコハマ>>>>>ダンロップというのは変わらず。ダンロップはダメロップとまで揶揄されるほど。ダンロップが良いのはタイヤが硬くて減りが遅いからランニングコストは安いという点だけ。コスパが良いのはヨコハマで、ブリジストンは有名税で高すぎるが、ヨコハマは安くてもしっかりと効く。北海道や東北ではブリジストンが人気だが、ヨコハマに履き替えてから特に不安も不便もない。4~5割も安いからお勧めでもある。
なお使用した車はプロトタイプで発表会や試乗会とかで使いまくって、廃車予定の車だから無茶はしまくれる車だったけどな。
ライターの順番によってアライメントが狂ってまっすぐ走れないのを「FRとは思えない!」ことになっているかもな。(笑)
それはなんとも面白い。。