日産の最強スポーツカー「スカイライン 400R」と「GT-R」が氷上対決! FRと4WDの走りの違いとは?
後輪駆動(FR)車は滑りやすい路面が苦手といわれていますが、FRの日産「スカイライン」と四駆の「GT-R」で、氷上における走行性能の違いを検証してみました。
FRは雪道や凍結路が苦手!? 滑りやすい「氷上」を走ってみた
「滑りやすい路面が苦手」といわれることの多い「後輪駆動(FR)車」。実際にこのFR車で雪道を走ったことがある人はもちろん、その経験がない人も「得意ではない」というイメージを持っているのではないでしょうか。
果たして、FR車はどれくらい運転が難しいのか、もしくはどれだけ苦手なのかについて、雪よりもさらに滑りやすい氷の上で試してみました。
今回試乗の舞台となったのは、冬になると湖全体が氷に覆われる女神湖(長野県)です。当日は氷の上に雪が積もっていましたが、ところどころ氷が露出しているうえに、0度を超える気温と日に当たってややとけている状況で、もっとも滑りやすいコンディションといえます。
車両はスタッドレスタイヤを履いた日産「スカイライン」の最強モデル「400R」です。
405馬力というハイパワーな3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載したFRの超高性能スポーツセダンは、滑りやすい極限の状況でどんな走りを見せてくれるのでしょうか。
まずはスタビリティコントロールをオンのまま走ってみます。
滑りやすい路面にもかかわらず発進時にグッとアクセルを踏んでも大きく挙動が乱れませんが、それはスタビリティコントロールに含まれるトラクションコントロール機能がしっかり利いているからにほかなりません。
そのため、スリップしないように出力を絞ることから、アクセル踏み込み量の割に加速度は控えめです。
また、アクセルを踏み込んだ際の加速は、日産「ノートe-POWER」(スタビリティコントロールオン)のほうがスムーズなだけでなく速かったこともお伝えしておきましょう。
モーター駆動のe-POWERの強みは、空転を検知しつつも、綿密な制御で効率良く駆動力を路面に伝えているからです。
話をスカイライン400Rに戻すと、コーナリングもオーバースピードではない限り、スタビリティコントロールさえオンにしておけば挙動が破綻することはありませんでした。
だからといって、手に負えないほどじゃじゃ馬かといえば、決してそんなことはありません。ただし、スタビリティコントロールがオンのままでは「FRらしいダイナミックな走り」が楽しめないのもまた事実です。
では、スタビリティコントロールをオフにして走るとどうなるのでしょうか。
ひと言でいえば「スリリングだけど楽しい綱渡りのよう」でした。
繊細なアクセルワークと適切な速度管理、ハンドル操作さえできれば、カウンターステアを当てながら曲がっていくことが可能。じゃじゃ馬を操るかのごとく後輪のスリップをコントロールしながら走るのは、ひたすら楽しいものです。
ただし、ちょっとでもオーバースピードだと前輪が簡単に限界を超えてアンダーステアとなり、逆にアクセルを踏みすぎれば後輪が限界を超えてスピンするなどデリケート。やはり極限の滑りやすい路面だとFR車の運転が難しいことを実感しました。
また、ここまで滑りやすい路面だとフルパワーを発揮する状況がないので、残念ながら自慢の高性能エンジンの強みは感じられません。氷上では405馬力をフルに引き出す状況はないといって良いでしょう。
それよりも、コントロール性に優れるアクセルレスポンスの良さが重要。そういう意味では、400Rに積む「VR30DDTT」エンジンのレスポンスの良さが、滑りやすい路面ではありがたみを感じられました。
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