「5億円の請求額に絶望…」 予期せぬ交通事故で加害者に なぜ高額なケースが発生? 今からできる対策は
クルマを運転する際、予期せぬ形で自身が加害者となってしまう可能性もあります。状況によって被害者への損害賠償として億単位の金額が請求されるケースもあるといいますが、こうした高額な賠償額はどのようにして決まるのでしょうか。また何か対策はあるのでしょうか。
突然交通事故の加害者で高額な請求が!? どうしたら良い?
クルマを運転する際は、事故を起こさないように安全運転を心がける必要があります。
しかしその一方で、どんなに気をつけていても、予期せぬ形で交通事故の加害者となってしまう可能性も。
事故が起きた際には、状況によっては被害者への損害賠償として億単位の金額が加害者に請求されるケースもあるといいますが、こうした高額な賠償額はどのようにして決まるのでしょうか。また何か対策はあるのでしょうか。
交通事故総合分析センターによると、2020年中の交通事故は30万9178件で、うち重傷事故は2万6448件、死亡事故は2784件にも及んでいます。
こうした重傷・死亡事故のなかには、被害者への賠償額 が高額になるケースもあるといいます。
損害保険料率算出機構の「2020年度の自動車保険の概況(2019年度統計)」によると、2011年に判決が下った41歳男性・眼科開業医の死亡事故の認定総損害額は、およそ5億2800万円に上るといい、過去の判例のなかで最も高額な損害額となっています。
このほか、30歳男性・公務員が後遺障害の被害に遭った事故はおよそ4億5000万円、21歳男性・大学生が後遺障害の被害に遭った事故はおよそ4億円 といった損害額となっています。
ではこうした高額な損害額はどのようにして決まるのでしょうか。これについて、一般社団法人日本損害保険協会の広報担当者は以下のように話します。
「けがの程度や年齢、収入の状況などから、裁判の事例なども参考にして決まります」
日本損害保険協会の資料によると、交通事故によって生じる損害には「経済的損害」と「精神的損害」があるといいます。
経済的損害には、治療費や事故による収入減少のための休業損害、後遺症がある場合は労働能力が減少したために将来発生すると考えられる収入減の「逸失利益」などが挙げられます。
被害者が死亡した場合、葬儀費に加え、逸失利益は死亡しなければ将来得ることができたと考えられる収入額から本人の生活費を控除した金額が計算されます。
また、精神的損害には精神的・肉体的な苦痛に対する慰謝料が挙げられます。
このため、5億円の損害額のケースでは、男性が41歳で将来の就労可能な年数が比較的長いことや、職業が眼科開業医で高所得だったことから、損害額が高額になったと考えられます。
一般的に、すべての自動車は「自賠責保険」という加入が義務付けられている強制保険に加入することになっています。
自賠責保険は、人身事故が発生した際に相手に損害賠償として保険金が支払われますが、限度額が設定されており、死亡3000万円、けが120万円、後遺障害の場合は程度に応じて75万円から4000万円となっています。
また運転者自身のけがや、モノの損害などには適用されません。
このため、高額な賠償額が請求された場合、自賠責保険のみでのカバーは難しいといえるでしょう。
では高額な賠償額が請求される場合になったときに備え、ドライバーができる対策はあるのでしょうか。前出の担当者は以下のように話します。
「交通事故はいつ起こるかわからないため、事故を起こさないように安全運転を心がけるのが第一です。
その上で、事故は避けられないものであるため、自賠責保険に加えて任意の自動車保険に加入するのが良いでしょう。
また、すでに加入しているという人は補償内容に不足がないか今一度確認すると安心です」
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任意の自動車保険は、自賠責保険の支払限度額を超えた人身損害やクルマ、建物などモノへの損害、また運転者自身のけがやクルマの損害など、幅広く補償されます。
事故は引き起こさないことが第一ですが、万が一の高額な賠償額の支払いに備えて、運転する機会の多いドライバーは任意の自動車保険に加入するのが安心といえるでしょう。
運転歴30年以上だけど、任意保険は安心のために対人対物無制限にしか加入してこなかった。若い時はやはり経験不足から人身事故など起こしやすく、実際に有責事故も起こしている。明らかに相手の法令違反が大きくても、自動車VS原付では相手の怪我が大きいと自動車の過失が大きくなってしまう。以後、26年無事故無違反、物損事故もゼロであるが、万が一の備えて任意保険は最大限までカバーできるようにしている。