クルマの「ハイ/ロービーム」条件次第では違反となる? 街中ではローにするべき? 正しい使い方とは

クルマのヘッドライトには、「ハイビーム」と「ロービーム」の2種類が備わっており、それぞれ法令によって使う状況が定められています。一体、どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。

「ハイビーム」と「ロービーム」 なんとなくの使い分けはNG?

 視界が悪いなかで周囲を照らしたり、自車の存在を周知したりと、クルマにとってヘッドライトはもっとも重要な機能のひとつです。

 そんなヘッドライトには、「ハイビーム」と「ロービーム」の2種類が備わっており、それぞれ法令によって使う状況が定められています。一体、どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。

「眩しい」という声は多数あるものの、ハイビームとロービームは正しく使い分けることが大切
「眩しい」という声は多数あるものの、ハイビームとロービームは正しく使い分けることが大切

 法令では、ヘッドライトの光の色や取り付けの位置、個数などが細かく規定されています。

 また、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第42条では、ハイビーム・ロービームの明るさについて、以下のように定められています。

「走行用前照灯(ハイビーム)は、その全てを同時に照射したときは、夜間にその前方100mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること」

「すれ違い用前照灯(ロービーム)は、その照射光線が他の交通を妨げないものであり、かつ、その全てを同時に照射したときに、夜間にその前方40mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること」

 このことから分かるように、ハイビームのほうがロービームよりも明るいライトである必要があります。

 ただ、明るさにも上限があり、ハイビームは2灯もしくは4灯の合計が22万5000カンデラ以内、ロービームに関しては数値の規定はありませんが、ほかの交通を妨げない範囲であることが求められます。

 そんなハイビームとロービームですが、運転者のなかには「街中はロービーム」「山道などの暗い場所ではハイビーム」というように、シーンによって“なんとなく”使い分けている人も多いかもしれません。

 こうした使い分けは一概に間違っているとはいえませんが、実はハイビームとロービームの正しい使用状況は法律によって定められています。それぞれ、どのように使い分けるべきなのでしょうか。

 道路交通法第52条第1項では、灯火類全体について「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間)道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」としており、夜間の使用を義務付けています。

 また、ここでは「前照灯」について、「走行用」「すれ違い用」の明記がないため、ハイビーム・ロービームの両者を指しているといえます。

 つまり夜間の走行時には、ハイビーム・ロービームに加え、車幅灯、尾灯(テールランプ)も点灯させる必要があるということです。

 この条文だけを見ると、夜間走行時はハイビームを常時使用することが必要であるかのように取れますが、続く第52条第2項には、ハイビームを消灯させなくてはいけない状況が記されています。

「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」(第52条第2項)

 このように、ほかの車両とすれ違ったり、すぐ前方に車両がいたりする場合には、交通の妨げにならないよう、ヘッドライトの明るさを減らすことが求められます。ヘッドライトの明るさを減らすためには、ハイビームをロービームに切り替える方法が基本です。

 こうした法令に則って考えると、例えば、周囲にクルマがいない山道や生活道路などではハイビームを活用し、交通量が多い大通りに出た際にはロービームに切り替える必要がありそうです。

 ただ、こうした場所はあくまでも一例であるため、周囲の状況をしっかりと確認し、ほかの交通がない場合には基本的にハイビーム、ほかの交通がある場合にはロービームを活用するようにしましょう。

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7件のコメント

  1. >つまり夜間の走行時には、ハイビーム・ロービームに加え、車幅灯(フォグランプ)、尾灯(テールランプ)も点灯させる必要があるということです。
    車幅灯とフォグランプを混同している。この説明だと夜間点灯義務がないフォグランプまで点灯する義務があるように読めてしまう。法令上の義務を解説する記事なのであれば正確に記載すべき。

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  2. 車幅灯とフォグの違いも分からないライターが、車の法規に関する記事を書くべきではないと思うが編集はどう思われるのか意見を聴きたい
    編集者も分からないのか?

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  3. 文面で「例えば、周囲にクルマがいない山道や生活道路などではハイビームを活用し」
    生活道路でのハイビームは周辺の住宅地や歩行者には、迷惑で生活道路はロービームで最徐行が常識では

  4. 何でもかんでも違反取り締まりにこじつけようとする駄文
    目先の話題性にとらわれ情報をきちんと精査せずに
    一部を拡大解釈して切り取り大げさに表現するから語弊極まれり
    実態も正確性も伴わない内容ではないか、
    関心を惹こうと騒ぎたてるオオカミ少年ばりの酷い行為
    このような事の繰り返しではオオカミ少年の様に
    本当に正しい事を言った所で信じてもらえなくなるよ。

  5. 霧の中でハイビームって…
    そんなことしたら、真っ白で前が見えなくなりますよ??
    やったことあって書いてるんですかね?この記事…

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