クルマの「ハイ/ロービーム」条件次第では違反となる? 街中ではローにするべき? 正しい使い方とは
ハイビーム忘れで取り締まりになることも?
このように、法令によって使用の状況が定められているハイビームとロービームですが、切り替えを忘れたことによる取り締まりの事例などは過去に見られるのでしょうか。
警察署の交通安全課担当者は、「ロービームからハイビームへの切り替え忘れを実際に取り締まった事例は直近ではありません」と話します。
取り締まりにならない背景には、そもそも運転者の多くが状況に応じてしっかりとハイビームに切り替えていることや、万が一切り替えを忘れてしまっていたとしても、故意ではないことが関係しているようです。
ただ、切り替えをおこなうことが義務付けられているのは事実であるため、この場合、厳重注意という形で再発防止に努めているといいます。
なお、ヘッドライトの切り替え忘れは、道路交通法第52条の違反として「減光等義務違反」に該当し、違反点数1点、普通車では6000円、中型車・大型車では7000円の違反金が科せられます。

一方で、前述したようにハイビームは前方100m、ロービームは前方40mの距離を照らすことがそれぞれ義務付けられており、ロービームはハイビームに比べて広範囲を照らすことが困難です。
そのため、とくに周囲が暗かったり、霧がかっていたりと視界が悪い状況においては、ハイビームほど視認性の向上に効果を発揮することができません。
また、照らす角度もハイビームに比べて下向きであるため、そうした状況において、遠くから来る対向車に自車の存在を周知することにも向いているとはいえません。
法律に則った操作をすることはもちろん、自車および周囲のクルマの安全な走行のためにも、ヘッドライトの切り替えは状況に応じて正しくおこなうことが重要です。
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2020年4月以降に登録される新型車からは、新たな規定に則って「オートライト」の搭載が義務付けられています。
オートライトとは周囲の明るさに応じて、自動的にライトが点灯する機能で、夜間だけでなく、昼間のトンネルや橋の下などの暗い所でも自動的にライトが作動します。
また、近年ではハイビームとロービームを自動で切り替える機能も普及しつつあり、トヨタでは「オートマチックハイビーム」、ホンダでは「オートハイビーム」などとして設定しています。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。


























