「ホイールの汚れ」をどうにかしたい! 上手に洗う方法や汚れにくくする対策はある?

クルマをキレイに保つために洗車をしますが、そのなかでも洗うのが面倒なのが「ホイール」です。ホイールをキレイに洗浄する方法や、ホイールを汚れにくくする方法はあるのでしょうか。

ホイールはなぜ汚れやすい? 原因は何?

 クルマをキレイに保つために欠かせないのが洗車ですが、なかでも汚れやすく洗うときに面倒なのが「ホイール」です。

 洗車によってボディがピカピカになっても、ホイールが汚れたままだとキレイになったように見えないということもありますが、ホイールは複雑な形状ということもあって洗いにくく、また、水をかけただけでは汚れは落ちません。

 なぜホイールは汚れやすく、その汚れが落ちにくいのでしょうか。

ホイールにこびりついた汚れはなかなか落とせない
ホイールにこびりついた汚れはなかなか落とせない

 ホイールが汚れるのは、ブレーキを作動させたときに発生する「ブレーキダスト」が付着してしまうからです。

 ではなぜブレーキを作動させると汚れるのかというと、ブレーキの構造上、ブレーキパッドをブレーキローターに押し付けて発生する摩擦力を制動力として利用していることが関係しています。

 ブレーキローターとは、ホイールやタイヤと一緒に回る円盤のようなプレート部分です。このブレーキローターをキャリパーと呼ばれるパーツに装着されたブレーキパッドを押し付けているのですが、このとき、ブレーキパッドやブレーキローターが摩擦によって少しずつ削れています。

 その削りカスが、ホイールの汚れであるブレーキダストの正体です。

 高速で走るクルマを減速させるときに強力な摩擦が起き、同時に熱も発生。そしてブレーキダストが熱を帯びることでホイールにこびり付くことから、水をかけたくらいでは落ちなくなってしまうというわけです。

 とくに一部のスポーツモデルや輸入車のホイールは汚れやすく、なかでも欧州車が顕著なのですが、欧州と日本ではクルマに対する考え方に違いがあることが関係しているようです。

 神奈川県の整備工場に勤務するY整備士は次のようにいいます。

「ブレーキに関しては、日本と欧州など海外で求められる性能や特性が大きく違います。

 日本は低い速度域でストップ&ゴーの繰り返しが多い一方で、欧州は200km/h以上の速度域からブレーキをかけることもある道路環境です。

 そこで、国産車は制動力より耐久性を優先させたブレーキパッドを使い、輸入車は耐久性よりも高速からの制動力を優先させたブレーキパッドが採用されています」

 国産車ではダストが少なく耐久性に優れたノンアスベスト(NAO)素材のブレーキパッドが主に使用されています。

 一方で、欧州をはじめとする輸入車ではNAO素材に約30%スチールを混合させたセミメタリック(ロースチール)素材のブレーキパッドを使用。さらにブレーキローターも摩耗することで高い制動力を確保しており、このためブレーキパッドと同様に消耗品なのだそうです。

 ちなみに、ブレーキパッドは、混合されるスチールの量が増えるほど高速域での制動力が高くなる反面、低い速度域では鳴きが出やすくなったり、削られるぶんダストが出やすくなったりする傾向があります。

 耐久性を優先させたブレーキパッドはダストが出にくいのですが、150km/h以上のような超高速域からの使用にはあまり適していません。

 日本の道路での法定速度は最高でも120km/hなので、超高速域で走行するケースはまずありません。そのため、超高速での制動力確保より、耐久性や低ダストを優先しているというわけです。

【画像】ホイールの汚れの原因はブレーキの仕組みが関係!?「GT-R」のブレーキを分解してみた!(14枚)

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