「旧車」や「ネオクラシック」の人気が急上昇!? 古めのクルマが魅力的に映る理由とは

今、旧車を購入することのメリットやデメリットは?

 旧車やネオクラシックの魅力はどんなところにあるのか、前出の業界関係者Y氏に聞いてみました。ちなみにY氏自身も旧車を複数台所有しています。

「一番の理由はやはりデザインでしょう。現在のコンピュータで描かれた空力第一主義のラインとは違う、有機的なデザインを評価する声が多いです。また当時は若くて買えなかった人がそれなりの収入が得られるようになって、憧れのクルマを改めて手に入れるパターンも多いようです」

日産「スカイラインGT-R」(R32型)
日産「スカイラインGT-R」(R32型)

 一度旧車を購入すると長期間保有するケースも多く、なかには10年以上取っておく人もいるそうです。

「何台かクルマを乗り継いでいる人のなかには、新車が出るたびに新技術が投入されてついていけない気持ちになる人もいます。

 その点ネオクラシックになると、もう価値が下がらない、モデルチェンジを気にしなくていいという安心感もあるようです」(旧車の業界関係者 Y氏)

 旧車のメリットとしては、希少性もあってクルマの価値が下がらないことです。

 また、ネオクラッシックのクルマでは現代に通じるような技術が使われていることも多々あり、現在のクルマに遜色ない走りが楽しめるモデルもあります。

 さらに、現代のクルマほど電子制御されておらず自分でメンテナンスできる部分が多いことも魅力のひとつとされています。

 社外品のパーツが豊富な車種であれば、カスタムしやすいこともありますし、ほかにもノスタルジックな気分を存分に楽しめるということも人気を集める理由です。

 一方でデメリットもあります。それは古いクルマの場合、重課された税金を支払わなければいけないことや部品が入手しにくくなってくることです。

「エンジンなどの機関部品はほかのクルマから流用できるケースもあり、それほど心配はいらないのですが、問題はそれ以外の部品です。

 ドアのウェザーストリップやサンバイザー、モール類といった車種専用の部品が入手しにくくなってくるんです」(旧車の業界関係者 Y氏)

 実際、メーカーが車種専用の部品を保有しているのは生産終了してから10年足らず。問い合わせても中古パーツですらも見つからないケースも増えてくるため、ネオクラシックを購入するのと同時に部品も一式購入するオーナーもいるそうです。

「メーカーに問い合わせて欠品していても再生産されるパーツもあります。しかし、ある程度のロット数(注文数)が揃わないと生産されないケースが多く、パーツが入手困難になってしまいます。

 機械加工で作れるパーツは社外品でもまかなえるのであまり問題ありませんが、樹脂製で成形型が必要なパーツは、個人で作るのはほぼ絶望的です。

 そういったデメリットを超えても、乗りたいと思わせるのが旧車です。

 現在のモデルと比べればスペックは劣りますが、時代背景も込みの魅力なら色褪せることがありません。

 それでいて快適装備もほとんどついていますし、価格が高騰する前に乗ってみてほしいです」(旧車の業界関係者 Y氏)

 近年は、トヨタや日産、マツダ、ホンダなど、旧車・ネオクラッシックのパーツを再販しており、ユーザーサポートが充実してきました。

 しかし、現状では車種が限られていてパーツの価格も高額なので、注意が必要です。

 また、旧車のクラブに入会するのもクルマを維持するには非常に有効で、部員同士でパーツを融通したり、小ロットでパーツを作れることもあり、さらに故障箇所も熟知しているなど情報が得られやすいことが挙げられます。

※ ※ ※

 最近では1980年代の「昭和ポップス」が若者を中心にリバイバルヒットするなど、古い邦楽が流行していますが、これもすでに名曲と認定された曲ならではの安心感が幅広い層にウケているのです。

 クルマも同じで、あのとき憧れだったクルマがネオクラシックになったとしても、色褪せない存在感が魅力的に映るということなのでしょう。

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