東欧ルーマニアの自動車メーカーでルノーグループ傘下のダチア（Dacia）が、2021年3月からコンパクトEV「スプリング（Spring）」を販売しています。

　ダチアによるとこのスプリングは、発売から3か月で1万6000台超を受注。2021年7月以降も月平均で5000台以上を数え、12月中旬の時点で約4万3000台を受注するほど好調な売れ行きです。

　同社が「欧州でも類を見ない価格」「欧州市場で最も手頃なモデル」と自信を見せるスプリングはどのようなクルマなのでしょうか。

　EVであるスプリングは、26.8kWhのバッテリーを搭載。最高速度は125km／h、充電1回あたりのWLTP航続距離は230kmから305kmです。駆動方式はFFで、最高出力は33kW（44ps）、最大トルクは125N・mを発揮します。

　ボディサイズは全長3734mm×全幅1622mm×全高1516mm、ホイールベースは2423mm。4人乗りでトランク容量は約300リットルです（オプションのスペアホイール収納スペースは含まず。後部座席折りたたみ時は約600リットル）。

　価格は、公式サイトでは1万9100ユーロ（約240万円）からと示されていますが、たとえばフランスの場合、補助金により1万2000ユーロ台（約160万円程度）になるそうです。また、同国では月額89ユーロ（約1万1000円）で乗れるリースプランも用意されています。

　ダチアによると、フランスではスプリング購入者の8割が初めてダチア車を選んでいるといい、同社にとってシェア獲得の急先鋒となっていることがうかがえます。

　なお、スプリングは、欧州32か国のジャーナリストで構成されるオートベスト審査委員会でトヨタ「ヤリスクロス」やルノー「アルカナ」などとともに「The Best Buy Car of Europe 2022」を受賞しています。

　同賞21年の歴史の中で、ピュアEVが選ばれるのは初めてということです。