冬はクルマが錆びやすい!? 雪道走行後は要注意!「塩害」からクルマを守る対策とは?
走行後の洗車は早めにおこなうのが◎
クルマに付着した融雪剤を一刻も早く洗い流すことが錆防止に繋がるということです。融雪剤を含んだ汚れへの対策はどのようにしたら良いのでしょうか。
「クルマの下回りはボディのように塗装されていないパーツも多く、撥ね上げられた汚れがエンジンルームなどにも侵入しています。
それを考慮して下回りを重点的に洗車することで、できる限り融雪剤を洗い流すような洗車を心がけてください」(H整備士)
自分で洗車する場合、一般的なホースの水圧では十分とはいえないこともあり、できれば高圧洗浄機などを使って、普段届かない下回りまで入念に洗車するのがおすすめだとH整備士はいいます。
その際は下回りだけでなく、ホイールハウス内のサスペンション部分やブレーキローターなどもしっかりと洗い流すと良いそうです。
高圧洗浄機を持っていないという人は、ガソリンスタンドの洗車機での洗車がおすすめです。
現在の洗車機のなかには「下部洗浄」のオプション機能が付いているものがあり、これなら下回りを洗浄することが可能です。費用は通常の洗車代にプラスして数百円なので、時間と労力の節約になります。
さらに、洗車のプロ業者に頼むという方法もあります。その場合はクルマをリフトアップして下回りをスチームなどでさらに入念に洗車するので、どうしても錆びさせたくない人は検討してみてもいいかもしれません。
「そのほかに大切なことは洗車のタイミングです。雪道を走行後、数週間経ってから洗車では金属パーツが腐食しはじめる可能性もあります。
できれば帰ってきた当日、または数日以内に融雪剤を落とす洗車をしたほうが良いと思います」(H整備士)
また、ボディの下回りに防錆塗料を塗装する『シャーシブラック』というものがあります。その名の通り、シャシやパイプ類などに防錆塗料を吹き付け塗装する施工法で、その塗料が黒いことから作業そのものや使用する塗料名もそう呼ばれています。
融雪剤にも効果を発揮しそうですが、実際どうなのでしょうか。
「確かに『シャーシブラック』を施せば、一定の防錆効果は得られると思います。ただし、シャーシブラック塗料には油性と水性があり、油性は耐久性が高いのですが、光沢が出やすくあつかいやすい水性を使用しているショップもあります。
融雪剤を含む防錆効果を求めるなら油性でないと効果は十分に得られないこともあり、手軽だからという理由で水性を選んでしまうと、せっかく塗ったのに効果が弱いということにもなりかねません。
ショップにお願いするなら油性でとひと言伝えるのが良いでしょう。
またシャーシブラックなどの防錆塗料はあくまで表面をカバーするためのものなので、すでに錆が出てしまっている場合、塗装する前に削ぎ落とすか錆を安定した酸化鉄に変換させて進行を止める『錆転換剤』を塗布してもらう必要があります」
費用はかかりますが、雪道走行が多い場合は錆びる前に油性のシャーシブラックを施工するのもひとつの対策となりそうです。
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融雪剤には雪を溶かしたり、凍結させないというメリットがある一方、クルマのボディを傷めてしまう副作用もあるというわけです。
そのため雪道を走ったらすぐに洗車することが重要で、そこまでやってこそ十分な雪対策といえそうです。
雪が降らない地域から来た中古車の下廻りをみると、防錆塗装をしていないのに新車同様でいつもびっくりしている。
10年落ちでも錆が殆ど無いんだよな…本当に羨ましい。
マフラーとかデフもピッカピカ。
中古車を買うならボンネットの中や、ドア下部。タイヤハウス内に氷が塊で残る部分の腐食具合を見ると良いでしょうね。特にバッテリーを載せる受け皿や留具が錆でボロボロの車もあります。マフラーが錆て穴が開きそうだったり、不自然に塗装が上塗りされたと分かる場合は注意ですね。最近は費用削減のためか、高速道路でも塩化カルシウムじゃなく、安価な塩化ナトリウム(もろに岩塩砕いただけのもの)を撒いていることもあって車が錆びやすくなっています。冬に海岸線を走る時も波しぶきが掛かった場所がすぐに白くなる(海水の塩が結晶化する)ので、お出かけ前に軽くでも洗い流せるように4L 程度の水(焼酎のペットボトルか、お得用ウォッシャー液のタンク)を車に積んでおくと良いでしょう。