大きなサイズを生かしたデザインがイケてる! 往年のスタイリッシュなラージサイズワゴン車3選
1990年代にはブームにまでなったステーションワゴンですが、近年はラインナップもだいぶ少なくなってしまいました。かつて販売されたステーションワゴンはさまざまなセグメントのモデルがありましたが、なかには大きなボディサイズを生かした伸びやかなスタイリングのモデルも存在。そこで、往年のスタイリッシュなラージサイズワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
大きなサイズを生かしたスタイリッシュボディのステーションワゴンを振り返る
1989年に、スバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」が発売されると、スキーやアウトドアレジャーブームに乗って人気を集めました。そして、他メーカーもスバルに追従して、新型ステーションワゴンが次々に登場。
1990年代はちょっとしたステーションワゴンブームが到来し、さまざまなセグメントのモデルや高性能なモデルなど、バラエティも豊富でした。
しかし、急激に人気が高まった反面、沈静化も急激に起こり、次第にステーションワゴンは数を減らし、現在に至ります。
そんな栄枯盛衰があったステーションワゴンのなかには、大きなボディサイズを生かした伸びやかなスタイリングが好評だったモデルも存在。
そこで、往年のスタイリッシュなラージサイズワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「セプターワゴン」
近年、トヨタが北米市場販売している乗用車のなかでも好調なセールスを記録しているのが「RAV4」と「カムリ」です。
カムリは1980年に「カリーナ」ベースの「セリカカムリ」として誕生し、2代目でカムリと改名されてアメリカでもヒットし、代を重ねました。
そして、1990年に発売された3代目では、国内向けと海外向けで異なるボディで展開され、その海外向けカムリを日本でも販売することになって登場したのが「セプター」です。
ボディバリエーションはセダン、クーペ、ステーションワゴンの3タイプで、このうちセダンは日本で、クーペとステーションワゴンはアメリカでそれぞれ生産されました。
どのボディも大柄でしたが、とくにセプターワゴンは全長4820mm×全幅1770mm×全高1480mmと、当時の国産ステーションワゴンと比べるとかなりのビッグサイズで、アメ車のステーションワゴンを彷彿とさせるロー&ワイドなスタイルが新鮮でした。
搭載されたエンジンは2.2リッター直列4気筒と、3リッターV型6気筒の2種類で、トランスミッションは4速ATのみのFFです。
室内はFFだったこともあって広大な空間を誇り、そのため乗車定員は3列シートの7名となっていましたが、3列目シートは荷室に格納されており、乗員は後ろ向きに座るスタイルだったためあくまでも緊急用でした。
セプターワゴンはセダンやクーペに比べて好調な販売を記録していましたが、1996年に販売を終了しました。
●三菱「ディアマンテワゴン」
1989年に、日本で自動車税の改正があり、排気量のみで税額が区分されるようになったのと同時に、2リッターを超えるクルマでは実質的に税額の大幅な引き下げがおこなわれました。
この税制改正によって3ナンバー車時代が到来。三菱は早期にこの流れをキャッチアップして、1990年に初代「ディアマンテ」を発売しました。
ディアマンテは全グレードとも3ナンバー専用ボディで、スタイリッシュな外観デザインと高級感のある内装、余裕あるパワーのエンジン、199万8000円から(消費税含まず)という戦略的な価格設定とするなど、すべてが良好に作用してヒット作となりました。
さらに、当時のステーションワゴン人気に追従するため、1993年に「ディアマンテワゴン」が登場。
ディアマンテワゴンは三菱のオーストラリア工場で生産された輸入車で、外観はディアマンテと共通のフロントセクションと、伸びやかなフォルムを生かしたスタイリッシュなデザインを採用。
内装では本革のシートとトリム、フルオートエアコンや4インチ液晶カラーテレビ一体型のハイエンドオーディオを標準装備するなどラグジュアリーなワゴンというコンセプトでした。
ツーリング性能を重視したエンジンは最高出力165馬力を発揮する3リッターV型6気筒SOHCで、発売当初のグレードは2WDの1グレードのみで展開されました。
ディアマンテワゴンは1997年まで生産され2代目にバトンタッチし、セダンほどの人気は得られませんでしたが、スタイリッシュでプレミアムなステーションワゴンとして大いに魅力的な存在でした。
●日産2代目「ステージア」
日産は1996年に、次世代のラージサイズワゴンとして初代「ステージア」を発売。主要なコンポーネンツは「R33型 スカイライン」と共通で、優れた走りと実用的かつスタイリッシュなボディによってヒット作となりました。
そして、2001年に2代目が登場すると、コンセプトは初代から継承しつつボディはより大型化し、かつ洗練されたデザインへと変貌。ワゴンの王道というべきロングルーフの伸びやかなスタイリングで、実用性をさらに向上しました。
エンジンは初代の直列6気筒から全車V型6気筒にスイッチされ、高性能グレードの「250t RS FOUR V」はステージア専用に開発された2.5リッターV型6気筒ターボを搭載し、最高出力280馬力を発揮。
また、2003年にはオーテックジャパンが開発した特別仕様車の「ステージア アクシス350S」が発売され、最高出力280馬力を誇る3.5リッターV型6気筒自然吸気エンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わされるなど、異色のモデルといえました。
しかし、すでにワゴン人気は低迷しており、販売台数も次第に下落。2代目ステージアは2007年に生産を終了して後継車はなく、後に日産はステーションワゴン市場から撤退してしまいました。
※ ※ ※
前出のセプターワゴンはアメリカナイズされたモデルでしたが、そのアメリカでもステーションワゴンは激減してしまいました。
かつてアメリカのファミリーカーといえばステーションワゴンが主流でしたが、ミニバンやSUVに取って代わられ、多くのメーカーがステーションワゴン市場から撤退しています。
一方、欧州ではステーションワゴン人気は健在で、ラインナップも豊富。さまざまなセグメントとジャンルのモデルが販売されています。
そして日本でもトヨタ「カローラツーリング」やスバル「レヴォーグ」が、ニッチなユーザー層ではありますが売れており、車種は少ないながらも今のところは安泰です。
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