なぜ「平成のワゴンブーム」が勃発? 快速ワゴンが火付け役!? 全盛期のヒット車を振り返る
ワゴンブームの輸入車代表は四角くも新しいボルボ
●輸入ワゴン系
ワゴンブーム以前から輸入ワゴンはいくつか日本で販売されていましたが、本格的に人気に火がついたのは1993年に登場したボルボ「850エステート」からでしょう。
同社のロングセラーだった「240」の後継として開発されたモデルで、FRの240とは対照的に、850エステート直列5気筒エンジンを横向きに搭載するFFレイアウトを採用。
ボルボらしいスクエアさと新しさを両立したスタイリングは、ちょっと余裕のある生活をイメージさせると好評でした。
当時の輸入ワゴンはこの「余裕」がキーワード。裕福さの象徴ともいえるメルセデス・ベンツ「ミディアムクラス」のワゴンモデルは、850エステートと双璧をなす人気車でした。
また、ロングバケーションをイメージさせるフランスのプジョー「405ブレーク」や、アメリカのスケール感を味わえるフォード「トーラス」も、違った意味での余裕を感じさせると人気だったクルマです。
なお、前出のステージアは、850エステートの影響を受けて開発されたモデルといえました。
●逆輸入ワゴン系
日米で「レガシィ」のライバルとなるホンダ「アコード」も、レガシィから遅れることおよそ2年、1991年にワゴンモデルを発売。
車名が「U.S.アコードワゴン」とされたことからもわかるようにアメリカ工場で生産された逆輸入車で、その特別感とシンプルで綺麗なスタイリングを武器に好調なセールスを記録しました。
セダンは5ナンバーに収まるクルマでしたが、ワゴンのボディはバンパーやモールで拡大され、エンジンも2.2リッターに排気量アップ。5ナンバー枠を超える贅沢なクルマという位置付けでした。
このような逆輸入ワゴンは、同じくアメリカ生産のトヨタ「セプターワゴン」や、オーストラリア生産の三菱「ディアマンテワゴン」がありましたが、アコードほどのヒットには至りませんでした。
●ハッチバックワゴン系
ワゴンの魅力はたくさんの荷物を積めることですが、スポーティさを追い求めた結果か、あるいはブームに便乗するために名乗っただけなのか、ワゴンというにはラゲッジスペースが心許ないクルマも登場しました。
代表的なのが「レガシィ」の弟分であるスバル「インプレッサ」です。
インプレッサは「スポーツワゴン」を名乗っていましたが、そのラゲッジルームは同クラスのハッチバック車と同等。
サスペンションやホイールハウスの室内への張り出しが大きくお世辞にも使いやすいとはいえませんでしたが、それは圧倒的な運動性能を誇る「WRX」グレードを設定するなど高性能な足回りを収めるために仕方がなかったのでしょう。
同様に、マツダ「ファミリアSワゴン」やフォード「フェスティバミニワゴン」もハッチバックの域を出ないショートワゴンです。
逆にワゴンを名乗らなかったのに狭いワゴン扱いされていたのがトヨタ「アルテッツァジータ」でした。
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現在、日本で販売されている国産メーカーのワゴンは、トヨタ「カローラツーリング/カローラフィールダー」とスバル「レヴォーグ」、マツダ「マツダ6ワゴン」、ホンダ「シャトル」など、全盛期と比べるとずいぶん寂しい状況です。
とはいえ、当時のRVブームを担ったワンボックスカーはミニバンに、クロカン四駆はSUVへと進化し、再び日の目を見ています。
ワゴンもまた違った形で人気が再燃するかもしれません。
レグナムVR–4の名前が載っていないのが寂しいです…