ヘッドライトの黄ばみやくすみの原因は? ゴシゴシ削っちゃダメ!? 黄ばみを除去する正しい方法
クルマのボディはきれいな状態を保てても、樹脂製品やゴム製品の経年劣化は避けられません。とくに目立つのがヘッドライトのカバーで、いわゆる黄ばみや白ボケが発生してきます。そこでヘッドライトの黄ばみやくすみを取り除くための正しい工程をプロに聞いてみました。
黄ばみの原因はPC樹脂の劣化が原因!?
日々の洗車やコーティングなどでクルマのボディはきれいな状態を保てても、樹脂製品やゴム製品の経年劣化はなかなか避けられないものです。
とくに目立つのがヘッドライトのカバーです。直射日光に含まれる紫外線で表面が劣化して黄ばみや白ボケが発生し、目が古ぼけた印象になってしまいます。
見た目の問題もさることながら、ヘッドライトカバーの黄ばみやくすみが進めば光量が足りず、車検に通らなくなる可能性もあります。
ヘッドライトカバーはなぜ黄ばんだりくすんだりするのでしょうか。
これは、使われているポリカーボネート(PC)樹脂の経年劣化が原因です。
このPC樹脂はガラスより強度があり、成形しやすく破損時にも飛散しにくいという特徴がありますが、日光に含まれる紫外線に弱く、細かい傷もつきやすいという弱点があります。この無数の傷に汚れが溜まり、黄ばみになっていくとされています。
また、輸入車では「クラック」と呼ばれる表面のひび割れの一種が発生することが多く、これはヘッドライトカバーに塗られたハードコート皮膜が日本特有の湿度や紫外線、寒暖差で劣化することで発生。くすみというより、まるで強烈な砂嵐にあったかのような傷ができてしまうことがあります。
なお、クラックは国産車で発生することは少なく、欧州で作られたパーツやハードコート皮膜が日本の気象状況に適合していないのが大きな原因といわれています。
そしてこの黄ばみやくすみ、クラックを除去する方法としてポピュラーなのが研磨です。傷が目立たなくなるまで表面を削っていく作業ですが、これはボディにできた傷と考え方は一緒です。
ただし、塗装されたボディより、無色透明なヘッドライトカバーのほうが作業はより丁寧におこなう必要がありそうです。
そこで今回は、神奈川県の整備工場に勤務する整備士のEさんに、プロはどんなことに気を遣いながら作業しているのか、上手に仕上げるためのコツなどがあるのかについて聞いてみました。
「ヘッドライトカバーの黄ばみを研磨する前に、洗剤で汚れをどこまで落とせるか試してからでもいいと思います。
意外に効果的なのは家庭用のオレンジオイル配合の洗剤で、この黄ばみ成分には油分が含まれていることもあり、オレンジオイルに含まれる『リモネン』という成分が油脂を吸着させる働きがあります。
研磨するに前に汚れを落とす必要があるので、ぜひ試してみてほしいです」
ちなみにカーグッズ量販店などで販売されている「黄ばみ落とし」を使ってみても思ったような効果が得られず、諦めたという人も多いのではないでしょうか。市販の黄ばみ落としは効果が弱いのでしょうか。
「確かに効果はあまり強くないかもしれませんが、それは一度で研磨されすぎるのを防ぐ狙いがあると思います。
一般の方はどうしても一度の作業で結果を求めがちですが、我々でも少しずつ手探りで何度も繰り返し作業しています。
研磨して表面を削るのですから、できる限り最小限にとどめたい。そのためには何度も少しずつ仕上げていくという気持ちで作業してほしいです」(整備士 Eさん)
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