「輸入車No.1」へ返り咲きなるか!? 新型「ゴルフ」 日本上陸から約半年の通信簿とは
「BMWミニ」と輸入車トップの座を争うことになりそう
では、そんなゴルフの売れ行きは、どのようなものでしょうか?
チェックしたのは日本自動車輸入組合(JAIA)が発表する「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位」です。ただし、これは単月ごとではなく、四半期、半期、暦年、年度ごととなります。
まず、発売前となる2021年上半期(1月から6月)のランキングを見ると、ゴルフは11位(2885台)。トップは、BMWミニの9135台です。まだ、新型が発売されていないということで、ゴルフはランキングの下位に沈んでいます。
そして、6月のゴルフ、7月のゴルフ・ヴァリアントの発売直後となる、2021年第3四半期(7月から9月)の順位はどうかといえば、ゴルフは2位(5475台)にジャンプアップ。VWの大黒柱らしいポジションに返り咲いています。
ただし、そんなゴルフの躍進に待ったをかける存在がありました。それが1位を取ったBMWミニ。こちらの販売は8285台です。
じつはBMWミニの売れ行きは、ここのところ絶好調で、暦年(1月から12月)でいえば、2016年から2020年まで5年連続で「モデル別新車登録台数ナンバーワン」を獲得しています。つまり近年の輸入車ベストセラーカーは、BMWミニになっていたのです。
そして、その王者であるBMWミニも2021年5月25日にマイナーチェンジをしたばかり。ゴルフとBMWミニは、この夏バチバチの新車対決をおこなっていたというわけです。
ちなみに、BMWミニが輸入車トップとなったのは2016年から。その前のナンバーワンは、当然のごとくゴルフでした。
JAIAの記録が公開されている2003年以降、10年以上もナンバーワンの座はゴルフが守っていたものです。まさに、ゴルフとミニは屈指のライバルといえるでしょう。
しかしゴルフが、ナンバーワンの座を諦めるわけはありません。この後も、スポーティモデルである「ゴルフGTI」や、走りや燃費性能に優れるディーゼルエンジン(TDI)モデルを投入してきて、追撃するのは間違いありません。ゴルフとBMWミニの戦いは、この年末商戦にも続くことでしょう。
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とはいえ、そんな戦いに水を差す存在もあります。それがコロナ禍による半導体や部品の不足です。
これによって現在、世界中の自動車メーカーの生産が滞っている状況です。輸入車の日本における新車登録台数も、2021年8月までは前年比プラスで推移してきましたが、9月以降は急ブレーキがかかり、9月で前年比85.1%、10月は67.9%という、ひどい有様です。
聞けば、どこの輸入車ブランドも「受注は堅調だけれど、生産が遅れて、日本に届かない」というのです。売るものがなければ、新車登録も増えるわけがないというわけです。
こうした半導体不足や部品不足の解消は、数か月単位ではなく、年単位の時間が必要という見かたもあります。せっかくの新型車もモノがなければお話にならず、なんとも残念な話としかいいようがありません。
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