なぜ親同士のトラブルに発展!? 子供の習い事で「車出し当番」が問題視される理由とは

野球やサッカーといった子供の習い事でおこなわれる「クルマ出し当番」や「配車当番」と呼ばれる乗り合いの当番制度において、不満やトラブルが多発しているといいます。経験者に話を聞いてみました。

スポーツ少年&少女の保護者の悩み「お茶当番」と「クルマ出し当番」とは

 2019年に横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手(現・ピッツバーグ・パイレーツ所属)が、記者会見で少年野球の「お茶当番」について言及して話題になりました。

 お茶当番とは文字通り、子供たちや指導者へのお茶出しや、食事など身の回りの世話、雑務を保護者がすることです。

スポーツの習い事で保護者がおこなう「クルマ出し当番」とは(画像はイメージ)
スポーツの習い事で保護者がおこなう「クルマ出し当番」とは(画像はイメージ)

 子供のためではあるものの過度な負担になることから近年問題視されており、少年野球の人口が減少している原因のひとつともいわれています。

 しかし、これは野球に限った話ではありません。名称こそ違いますが似たような当番制度はほかのスポーツでも導入されていることが多く、子供にスポーツをさせる際のハードルになっているようです。

 また、お茶当番同様に、スポーツ少年・少女の保護者から不満の声があがっているのが、当番制で子供たちの送迎や移動のために保護者が自家用車を出す「クルマ出し当番」または「配車当番」です。

 この配車当番の問題点は平等性の欠如でしょう。運転免許やマイカーがないためクルマ出しが不可能な保護者もいれば、クルマを所有しているばかりに頻繁に当番を担わざるを得ない保護者もいます。

 実際、クルマ出しができない保護者は多めにガソリン代を支払ったり、お茶当番を担当することもあるようですが、なかなか公平であるとはいい難いようです。

 子供のサッカーチームの配車当番の経験があるYさん(40代・男性)は次のように話します。

「ミニバンを所有していたので試合などの遠征のときはクルマ出しが多かったのですが、自分の子供だけでなくほかの子供たちも乗せるということは、命を預かるってことですから、その重圧はハンパありませんでしたよ。

 もちろん帰りもあるので、一日中気を抜けなくて肉体的にも精神的にもクタクタになりました」

 万が一にも事故にでも遭えば責任問題になりかねません。任意保険に加入しているとはいえ、お金で解決できることばかりではなく、ドライバー自身の責任ではない事故(信号待ちで停車中に追突されたケースなど)でも別の保護者から責められたという話も少なくないといいます。

 同じく送迎での乗り合いにクルマを出した経験のあるSさん(30代・男性)は金銭的な不平等さに憤慨したと話します。

「息子を通わせていたチームは、ガソリン代がクルマを出した人の負担だったんです。それだけでも不満ですが、クルマは走ったぶんだけ傷みますし、帰りなんて汗と泥にまみれた子供たちを乗せるわけですからクルマ好きとしてはストレスが溜まりました」

 こうした不平等さを解消するために、ガソリン代を一律で徴収したり移動用にレンタカーを借りるチームもありますが、まだまだごく一部でしかないようです。

【画像】習い事のために3人家族がミニバン購入!? クルマ出し当番では多人数乗車が必須条件(35枚)

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