まさに有終の美を飾った高性能車! かなりイケてたファイナルモデル3選

かつて一世を風靡したクルマでもニーズの変化によって売れなくなり、惜しまれつつ生産を終えるケースは珍しくありません。そこで、有終の美を飾ったファイナルモデルのなかでも、かなりイケてた高性能車を3車種ピックアップして紹介します。

消えたのが残念なほどイケてたファイナルモデルを振り返る

 メーカーはニーズをキャッチアップして新型車を開発しますが、それが見事にマッチすればヒット作になるとえるでしょう。

惜しまれつつ消えた高性能なファイナルモデルたち
惜しまれつつ消えた高性能なファイナルモデルたち

 しかし、ニーズこそが絶えず変化するもので、その時代によって人気となるクルマは異なります。

 近年、SUVが世界的に人気となっていることも、まさにニーズの変化によるものです。

 そして、かつて一世を風靡したようなクルマでも時代の流れから人気が低迷し、生産を終えるケースも珍しいことではありません。

 そこで、有終の美を飾ったファイナルモデルのなかでも、かなりイケてたクルマを3車種ピックアップして紹介します。

●ダイハツ「シャレード デ・トマソ」

有名ブランドの逸品を装着したハイスペックモデルの「シャレード デ・トマソ」

 1977年に、ダイハツは自社開発した次世代のコンパクトカー初代「シャレード」を発売。量産車では世界初の1リッター直列3気筒SOHCエンジンを搭載し、2代目では世界最小の1リッターディーゼルエンジン、同ターボエンジンを設定するなど先進的なモデルで、同社の登録車のなかで長く主力車種に君臨していました。

 さらに、1984年には2代目シャレードをベースに、イタリアのチューナーであるデ・トマソが監修した高性能モデル「シャレード デ・トマソターボ」が発売され、一躍シャレードは走り好きの若者からも高い支持を得ます。

 3代目ではデ・トマソがラインナップされませんでしたが、1993年に発売された4代目で復活し、エンジンはシリーズ初の1.6リッター直列4気筒DOHC自然吸気を搭載。

 最高出力125馬力と同クラスでは決してパワフルなエンジンではありませんでしたが、車重はわずか900kg(MT車)と軽量なことから、十分な動力性能を発揮しました。

 また、歴代のデ・トマソモデルの作法どおり4輪ストラットの足まわりは専用セッティングで、ブレーキも4輪ディスクを装着し、車体剛性の向上などシャシまわりのチューニングによって優れたコーナリング性能を誇りました。

 装備についても外装に専用のエアロパーツ、ピレリ製タイヤ、ナルディ製ステアリング、レカロ製シートなど、デ・トマソモデルに共通する逸品が取り付けられました。

 しかし、2000年に実質的な後継車である「ストーリア」が登場し、シャレードの長い歴史は幕を降ろしました。

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●三菱「ギャラン VR-4」

洗練されたスタイリングにパワフルなエンジンを搭載した「ギャラン VR-4」

 かつて三菱の主力だったセダンといえば、コンパクトな「ランサー」と「ミラージュ」、そしてミドルクラスでは「ギャラン」です。

 このギャランが大きなターニングポイントを迎えたのは1987年に発売された6代目で、後の「ランサーエボリューション」シリーズの前身となる「ギャラン VR-4」が誕生しました。

 ギャラン VR-4は世界ラリー選手権(WRC)参戦を目的に開発され、最高出力205馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせ、ハイパフォーマンスなセダンとして人気となりました。

 実際にギャラン VR-4はWRCで活躍し、ラリーベース車がランサーエボリューションへ移行した後も、VR-4は引き続きトップグレードとして代を重ねました。

 そして、1996年に発売された8代目ギャランでは、量産車では世界初のガソリン直噴エンジン「GDI」が注目されましたが、VR-4も大幅に進化。

 エンジンは最高出力280馬力を誇る2.5リッターV型6気筒ツインターボが搭載され、4WDシステムには後輪左右の駆動力を制御して旋回性能を高める「アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)」を採用するなど、加速性能と運動性能を同時に高められました。

 8代目ギャランはスタイリッシュなセダンでありながら先進的で高性能という、トータルバランスに優れたモデルといえましたが、2005年に生産を終了。

 2007年には「ギャランフォルティス」が登場してギャランの名を冠していましたが、実質的にはランサーの系譜にあたるモデルでした。

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●ホンダ「プレリュード タイプS」

シックな印象の高性能スペシャリティカーへと変貌を遂げた5代目「プレリュード」

 ホンダは初代「シビック」と初代「アコード」のヒットに続く次の一手として、1978年に2ドアクーペの初代「プレリュード」を発売。国産車では初となる電動サンルーフを標準装備(グレードにより設定)するなど意欲的なスペシャリティカーでしたが、ヒットには至りませんでした。

 しかし、1982年に登場した2代目ではエンジンの高性能化とともにデザインコンセプトを大きく変え、スマッシュヒットを記録。さらに1987年に発売された3代目では、よりスタイリッシュなデザインに変貌を遂げ、量産車では世界初の4WSを採用。時代のニーズにマッチしたことで大ヒットしました。

 その後も同様なコンセプトで代を重ね、1996年に5代目が登場しました。4代目がスポーティさを強調する若々しいモデルであったのに対し、5代目のスタイリングはかつてデートカーとして人気を博した3代目に回帰。落ち着いた雰囲気と上質感を漂わせる「大人のクーペ」へと生まれ変わりました、

 この5代目のトップグレードとして「タイプS」がラインナップされ、エンジンは最高出力220馬力を発揮する2.2リッターの直列4気筒VTECを搭載し、「タイプR」ほどはハードなチューニングではありませんが赤いヘッドカバーを装備するなど、特別なモデルであることを強調。

 さらに駆動系では、前輪左右の駆動力を自動で配分する「ATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)」を装備することで、高い旋回力を誇りました。

 しかし、クーペ人気の低迷により、かつて一世を風靡したプレリュードも、2000年に5代目をもって生産を終えました。

※ ※ ※

 繰り返しになりますがSUVの人気はますます高まっている状況で、新型SUVも続々と登場するなど、もはやブームといっても過言ではありません。

 このブームは世界的なもので簡単には沈静化することは無いと思われ、近い将来には各メーカーとも定番の車種へと移行すると予想されます。

 ただし、かつて日本で起こったミニバンブームでも次々に新型車が乱立しましたが、今ではほとんどが淘汰されたことを考えると、SUVで同様なことが起きても不思議ではありません。

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