なぜ沖縄のガソリン価格は「7円も」安い? 本州より安価になる「ガソリン税軽減」の理由とは
なぜ沖縄は税優遇させるのか? 歴史と深く関わるそのワケ
なぜ沖縄県だけ揮発油税の軽減措置がおこなわれているのでしょうか。
揮発油税とは、厳密にいえば「温度15度において0.8017をこえない比重を有する炭化水素油へ課せられる税金」のことで、このなかにはガソリン以外も含まれています。
正確には灯油も含まれますが、灯油には「石油税」が別途定められているため、「揮発油税」は事実上ガソリンのための税金とされており、一般には「ガソリン税」と呼ばれることもあり、ディーゼルエンジンの燃料である軽油には軽油引取税が課せられています。
そんな揮発油税ですが、沖縄県だけ軽減措置があるのには、沖縄県がかつてアメリカの領土であったことが関係しています。
沖縄県は第二次世界大戦後、アメリカの領土とされていましたが、1972年5月15日にアメリカとの沖縄返還協定が発効され、沖縄県は日本に返還されました。
その際に、沖縄県内における裁判制度や教育、政府など、あらゆる分野にかかわる「沖縄復帰特別措置法」が定められました。
前述した「揮発油税の軽減」は、沖縄復帰特別措置法第80条「内国消費税等に関する特例」に基づくものです。
この第80条では「沖縄県の区域における一般消費者の生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮してその税負担を調整するため、次の各号に掲げる国税については、政令で当該各号に定める措置を定めることができる」とされており、沖縄県民の税負担を軽減するための特例を定めた項目であることがうかがえます。
沖縄県では、揮発油のほかに、特定の酒類にかかる税金や航空燃料税なども、軽減措置が実施されています。
揮発油税の軽減措置については、2020年度税制改正において、2020年5月15日から2022年5月14日までの延長が認められていることから、少なくともそれまでの間はほかの都道府県よりもガソリンが安くなると考えられます。
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揮発油税の軽減がされているのは、日本全国でも沖縄県のみとなっています。
例外的な事例ではありますが、沖縄県を訪れる際はガソリン価格に注目してみると良いかもしれません。
一律、沖縄県内は安いような内容ですが、県内でも離島では逆に単価が高いのが事実です。現時点ではありますがレギュラーでリッターで190円です。車社会でかつ所得平均も低い立場としては切実な問題です。