なぜメーカーは「特別仕様車」を設定する? 商品改良と何が違う? あえて特別感を出す理由とは
自動車メーカーのカタログラインナップには、「特別仕様車」というものが存在します。一般的にクルマが刷新される際には「フルモデルチェンジ」「マイナーチェンジ」「商品改良」などという言葉を用いていますが、「特別仕様車」はなにが違うのでしょうか。
クルマの改良パターンは色々?「特別仕様車」との違いとは?
クルマは「フルモデルチェンジ」「マイナーチェンジ」「年次改良」など、定期的に改良されることがありま。
そうした改良と「特別仕様車」はなにが違うのでしょうか。また、メーカーが特別仕様車を設定する理由はどこにあるのでしょうか。
発売されたクルマは、定期的に改良が施され、ユーザーからのフィードバックを採り込んだり、新技術が採用されたりして、より魅力を増していきます。
メーカーによっても呼び方や定義が異なりますが、そうした改良は、一般的に「フルモデルチェンジ」や「マイナーチェンジ」、「一部改良」「商品改良」「年次改良」などと呼ばれています。
もっとも大きな変更であるフルモデルチェンジは、一般的には発売から6年以上経過したタイミングでおこなわれる傾向です。
エクステリアやインテリアはもちろん、シャシやパワートレインなどクルマの根幹まで手が加えられ、クルマのあらゆる部分が一新されます。型式も変更となるため、文字通り「新型車」となります。
マイナーチェンジは、おおよそ3年程度の周期でおこなわれ、エクステリアやインテリアのデザイン変更や、安全装備など新技術の追加、パワートレインのラインナップの追加などです。
シャシまでは変わらないため型式変更はおこなわれず、マイナーチェンジ前のモデルを「前期型」、マイナーチェンジ後のモデルを「後期型」などと呼ぶこともあります。
一部改良/商品改良/年次改良は、定期的におこなわれる、マイナーチェンジよりさらに細やかな改良です。
変更点はあまり大々的にアピールされることはなく、サスペンションやエンジン出力を調整することで運動性能を改善したり、インテリアやスイッチの素材を改良したりといった微調整がおこなわれることが一般的です。
一方で、ユーザーから見れば単なるマイナーチェンジの域を超えていることから、2020年に登場したレクサス「IS」や「LS」などは「ビッグマイナーチェンジ」などと表現される例もあります。
また、改良とまた少し異なるものとして「特別仕様車」が設定されることがあります。
特別仕様車とは、色やオプションなど、いままでカタログになかった新たな仕様が追加されたり、これまでオプションだった装備が標準装備されたりしているモデルのことを指します。
さらに、期間や台数が限定されて発売されているため、文字通り、そのときしか買えない「特別仕様」のクルマとなっています。
例えば、2021年6月4日に発売された、トヨタ「C-HR」の「G-T Mode-Nero Safety Plus II」という特別仕様車は、限定色として「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」という深みのあるネイビーカラーが設定されています。
これまで、オプション選択だった特別デザインのアルミホイールやヘッドライトなども標準装備され、各種安全機能も設定されています。
一方で、ベースとなっている「G-T」と、特別仕様である 「G-T Mode-Nero Safety Plus II」は、両車とも車両価格が271万5000円です。
つまり、オプションで装備する必要があったものが標準装備されているにもかかわらず、車両価格が同一ということは、ベースモデルに対して非常にお買い得になっているということができます。
特別仕様車が提供されるタイミングはメーカーによってさまざまですが、一般的にはマイナーチェンジとフルモデルチェンジを繋ぐ存在であることが多いようです。
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