トヨタ「RAV4」クラスの新型電動SUV「bZ4X」の詳細発表! 量産EV登場で日本のEVシフトが一気に加速する?
高額になりがちなEV 普及することによって価格は下がる?
新型bZ4Xの発売は2022年年央から、。中国・米国・欧州・日本で始まりますが、気になる価格については今回未発表でした。
そのうえで、開発担当者は「バッテリー電気自動車の価格が高いというネガティブポイントがあることは分かっている。たとえばプリウスでは(コストの)1/2活動を展開して量産価格は下げてきたので、BEVについても今後、次のシリーズで下げていく方向だ」という、技術進化と量産効果のバランスについて述べています。
トヨタとの意見交換を振り返ってみると、たとえばドイツのメルセデス・ベンツが「市場環境が整えば、2030年までにグローバルで全モデルをEV(または燃料電池車)にする」といった急激なEVシフトをトヨタとしては望んでいないのは明らかです。
豊田章男社長が日本自動車工業会・会長の立場としても常々発言しているように、「自動車産業におけるカーボンニュートラルに向けたCO2削減は、国や地域の社会状況に応じて対応策が違う」という考えが基本にあります。
今回の新型bZ4X発表資料のなかでも、冒頭に「カーボンニュートラルへのアプローチ」として、プラクティカル(実用的)な形でサスティナブル(持続可能)な移動手段を提供する、として、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(バッテリー電気自動車)、FCEV(燃料電池車)の「電動車フルラインナップ」を示しています。
さらには、既存の内燃機関(エンジン)を活用して、水素やe-フューエルなどを燃料とすることでCO2削減を進める取り組みが、電動化フルラインナップと同時に進行している状況です。
今回の新型bZ4X発表資料のなかでは販売台数目標については触れられていませんが、開発担当者の口調として、発売当初から一気に販売数が伸びるという予想はしていない印象がありました。
これはけっして、欧州や中国など、EV販売台数が義務化という社会情勢とは違う日本において、トヨタがEV普及に消極的ということではないと思います。
EV普及については、技術の進化や価格面の抑制などが必要ですが、それ以上に、ユーザーや販売店がEVにどう向き合い、そして社会全体でEVをどう受け入れていくのかが重要なのだと思います。
初代プリウスが基点となり、日本でさまざまなハイブリッド車が普及したこれまでの時代の流れと、これから新型bZ4Xが歩む道は、少し違うように感じます。
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- トヨタ RAV4
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- 新車販売価格:277.4~410.6万円
- ボディタイプ
- SUV・クロカン
- 販売年月
- 2019年04月~生産中
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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