iPhone製造メーカーが新型車をなぜ発表? 「ミスターGT-R」が関わった会社が販売手掛ける!
iPhoneの生産を請け負う台湾のフォックスコンは新しいEVを発表しました。なぜiPhoneからEVへと異なる事業を展開するのでしょうか。
アイフォンのノウハウも入っているかも? フォックストロンとは
2021年10月18日、台湾の電子機器製造大手のフォックスコン(Foxconn)を展開する鴻海科技集団は「Hon Hai Tech Day 2021ホンハイ・テックデー」(HHTD21)に出展。
そこで同社のEVブランド「フォックストロン(Foxtron)」から3種類のプロトタイプEVを発表しました。
2020年3月にフォックスコンは台湾最大の自動車メーカー「裕隆汽車」(Yulon、ユーロン)と合弁事業を締結、同年11月に「フォックストロン」としてブランドが設立されています。
フォックスコンは、1974年に郭台銘(テリー・ゴウ)によって設立された電子部品メーカーを発端とする台湾企業です。
現在は、アップル、デル、グーグル、レノボ、ソニー、マイクロソフト、任天堂などが設計した製品の生産を請け負う製造会社として有名です。
そうしたなかで、フォックスコンはHHTD21の中でEVブランド「フォックストロン」を発表し「モデルC」「モデルE」「モデルT」と命名された3種類のプロトタイプEVを公開しました。
それぞれクロスオーバー型EV、セダン型EV、そしてEVバスとなります。
そのうち、モデルCとモデルEはフォックスコンが独自で開発したEVプラットフォーム「MIHプラットフォーム」を共用しており、同社はこのプラットフォームをグーグルが開発したスマートフォンOS「アンドロイド」のようにオープンソースとし、ほかのEVベンチャーにも提供しようと考えているようです。
また、プラットフォームのみならず、モーターやバッテリーなどの主要コンポーネンツも自社製造を目指しており、とくにバッテリー分野では「全固体電池」を2024年までに商用化することを目標としています。
全個体電池とは、現在主流となっているリチウムイオン電池の電解液(電解質)を固体化し、重量と体積の両面でエネルギー密度を2倍以上に高めた未来の電池です。安全性や耐久性も大幅に向上することが期待されており、次世代EVの命運を左右する重要な役割を担っています。
モデルCは、7人乗りのクロスオーバーで、0-100km/h加速は3.8秒としています。
そしてイタリアのピニンファリーナがデザインを監修した「モデルE」は出力560kW(750hp)、0-100km/加速を2.8秒というセダンです。航続距離はどちらも700km超えと公表されています。
なかでも注目すべきはEVバスの「モデルT」です。このバスは航続距離400キロを誇りますが、すでに台湾はもちろん、アメリカ合衆国のバスに関する安全基準を満たした設計であるという点です。
2022年には「モデルT」の生産を開始し、台湾の主要都市などにて使用される計画も明らかにされています。
フォックスコンは今回の件のみならず、かねてから自動車産業への参入を目論んできました。
2021年のはじめには中国のEVベンチャー「バイトン」への出資をおこないました(残念ながらバイトンは9月に倒産)。
さらに中国の自動車メーカー「ジーリー」との合弁企業設立や、アメリカ合衆国・オハイオ州にある元ゼネラルモーターズの工場を買い上げるなど、準備は着々と進められていました。
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