iPhone製造メーカーが新型車をなぜ発表? 「ミスターGT-R」が関わった会社が販売手掛ける!

販売を手掛ける裕隆汽車は「ミスターGT-R」と関わりがあった?

 今回のパートナーを務める裕隆汽車は、日産や三菱の台湾でのパートナーとしても有名であり、長年に渡って台湾での日産車の生産や販売を担当してことでも知られています。

 また、2008年には台湾初の高級車ブランド「ラクスジェン」(Luxgen、納智捷)をスタートさせ、現在も台湾の自動車産業を率いる存在となっています。なお、ラクスジェンとは自動車メーカーの名前ではなく、ブランド名です。

 今回、発表された3モデルに関しては裕隆汽車が生産・販売を担当し、そのうち乗用車2モデルは今後ラクスジェンから登場することが示唆されています。

 ちなみに裕隆汽車は中国市場でも展開しています。中国の自動車メーカー、東風汽車と合弁企業「東風裕隆」を2010年に設立し、それ以来、中国でのラクスジェン車の製造・販売をおこなってきました。

 しかしながら、2020年に販売低迷を理由に中国市場からの撤退を発表。大陸での存在感を発揮できなかった背景もあるのでしょう。

 同じ台湾の同胞であるフォックスコンと連携することで、巻き返しを狙っていこうという思惑があるようです。

 なお、台湾の高級車市場を牽引するラクスジェンですが、実はもうひとつの部分で日本と深い関わりがあります。

「ミスターGT-R」としても有名な元日産のエンジニア、水野和敏氏が開発に関わっていたのです。

「ミスターGT-R」といわれる水野氏はR35 GT-Rの開発責任者だった
「ミスターGT-R」といわれる水野氏はR35 GT-Rの開発責任者だった

 水野氏は2014年、裕隆汽車グループ傘下の華創車電に副社長として就任し、同時に同社日本法人の代表取締役にも就任しました。

 2019年11月に退任されましたが、在任中はラクスジェンのスポーツモデルに開発責任者として関わっており、日本でも大分県にあるサーキット、オートポリスなどでも開発をおこなっていました。

 また、2021年3月、フォックストロンはEV駆動システムの開発における戦略的提携に関し、総合モーターメーカー最大手の日本電産(本社:京都市)との覚書に署名しています。

 フォックストロンと日本電産は共同開発を続け、日本電産のトラクションモーターシステム「E-Axle」を搭載した製品を提供していくことを発表しています。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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